Live at Beyond Baroque

フレッド: こんばんは。アメリカの文学のアートセンターに来てくれてありがとう。Beyond Baroque にようこそ。私はディレクターのフレッド・ドゥイーです。今日は非常に才能豊かな詩人の皆さんを迎えています。素敵な夜になるでしょう。辛抱強く待っていてくれることに感謝します。ポエトリーの館にようこそ。ヴィゴ・モーテンセンです。

ヴィゴ: やあ、来てくれてありがとう。遅れたのは僕のせいなんだ。車の外でどうしたらいいか考えていたのだけど、詩の朗読の準備ができるなんてことは絶対にないんだ。その考えに慣れなきゃいけないと思ってるし、実際慣れつつあるんだけど。朗読会に万全の状態で臨めることなんてあり得ないって分かっているんだ。えっと・・・、詩の朗読を始めたのは、Wednesday Night Workshop なんだけど、そのワークショップはまだやっているので、もし詩を書いたり、聞いたりするのが好きであれば、水曜か、木曜か月曜に来てみて欲しいんだ。タダだし、誰でも入れるんだ。何を言おうが、何をしていようが関係ないんだ。それにビールもあるしね(笑)。ともかく、僕が始めた時にそのワークショップを運営していたのは、ボブ・フラナガンっていう人で、彼はもう亡くなっているのだけど、どこか別の場所で次の朗読会をやっていると思うよ。彼の詩を読みたいと思うんだ・・・自分の詩を読むのを先延ばしするためにね(笑)。えーっと、これは SLAVE SONNETS から。

(略)

ヴィゴ: 今のがボブだよ。 [拍手が起こる]
女性: ワォ!!
ヴィゴ: もうひとつあるんだ。 [女性の驚嘆に応えて] 今のは何でもないよ(笑)、本当に。『SICK』という彼のドキュメンタリーがあるのだけど、レンタルする価値は十分にあると思うんだ。もう廃盤だからね・・・。ここでもう一つ起こっていることは、地元の学校で助け合いのプログラムがあるんだけど、目の不自由な人のためのトラック・ライティングというコレクションがあるんだ。もしかしたら、まだ手に入るのかな?
男性: うん。
ヴィゴ: そう。分かったよ。これは高校生が書いたもので、ヴェロニカ・ゴンザレスによる SECRET という詩だよ。

SECRET
THE MORNING AFTER I WAKE UP AND THERE SHE IS,
LYING NEXT TO ME, PAMELA ANDERSON
SHE LOOKS A LOT DIFFERENT
AFTER SHE HAS BEEN WORKED OVER BY THE BEST


翌朝目が覚めたら彼女がそこにいた
僕のとなりに横たわっている、パメラ・アンダーソンが
セックスの後では彼女はずいぶん違って見える

[大きな笑いと拍手喝采が起こる]

ヴィゴ: で、これこそ何でもないんだ。 [会場の笑いが止むのを少し待つ] 次は HOME という詩で、古いんだけどまだ・・・何? [ここでヴィゴも笑い出す] この詩は・・・ [笑いが止まらなくなるヴィゴ] ビールとワインもあるしね。 [気を取り直して] この詩は古いけど、今でもあてはまるんだ・・・残念ながらね(笑)。

[HOMEを読む・・・Recent Forgeries 86ページを見てください]

男性: 以上だね。

[拍手が起こる]

ヴィゴ: 次は MATINEE という詩で、これは多分いつでもあてはまると思うんだ。少し新しい詩だよ。

[MATINEEを読む・・・Recent Forgeries 19ページ または Coincidence of Memory 24ページを見てください]

この詩も僕の昼間の仕事に少し関係しているんだ。

[EDITを読む・・・Recent Forgeries 70ページ または Coincidence of Memory 35ページを見てください]

[笑いと拍手が起こる]

僕の母はずっと映画が好きで、子供の頃はよく映画に連れて行ってくれたんだ。母は長い映画が好きで、でも昔は時間が長い映画も特別なイベントではなくって普通のことだったんだけど、そういう映画は途中で休憩があるから、お菓子やソーダなんかを買って、午後ずっと映画を見て過ごしたんだ。ともかく、母は『スパルタカス』や『アラビアのロレンス』といった類の映画に連れて行ってくれたんだ。この詩はある意味それについてなんだけど、少しだけね・・・。何についてなのかは分からないよ、知っていたらここで書いたり読んだりしてないかな(笑)。

[ISIDURE DEMPSKYを読む・・・スペルを含めてタイトルは定かでありません]

[拍手が起こる]

ありがとう。この詩は少し・・・いつもある意味パフォーマンスをしているように感じるんだ。SHOW です。

[SHOWを読む・・・Recent Forgeries 68ページを見てください]

[拍手が起こる]

ありがとう。次の詩は CLEARです。

[CLEARを読む・・・Recent Forgeries 25ページ または Coincidence of Memory 7ページを見てください]

[笑いと拍手が起こる]

1つスペイン語の短い詩を読もうと思うんだ。誰かスペイン語を読み書きするかもしれないしね。少なくともここに1人いるのは知ってるけど。CHACO というのを選んでみたよ。 [ME CAGO... と少し読みはじめて止める] この詩は考えさせるんだ・・・後で英語に訳してみるよ。だけど、少なくとも自分にとっては、こう感じるんだ。自分がある特定の年齢の子供の頃、多分8才くらいの時は、いろんなことが怖いんだけど、ある特定のことについては十分に怖がるほどまだよく知らないんだ。

[CHACOを読む・・・Recent Forgeries 100ページ または Coincidence of Memory 18ページを見てください]

スペイン語で読んだよ(笑)。訳してみようか。CHACOはアルゼンチン北部の地方で亜熱帯なんだ。

I SHIT ON THE JUNGLE
LIKE THE MONKEYS
WITH THEIR PERFECT YELLOW TEETH
WITHOUT FEARING ANY TIGER

[拍手が起こる]

次は HILLSIDEです。

[HILLSIDEを読む・・・Recent Forgeries 103ページ または Coincidence of Memory 21ページを見てください]

[笑いと拍手が起こる]

次の詩は FOR SANDY DENNISで、彼女は素晴らしい女優だけど、もう亡くなっているんだ。皆亡くなってるんだよ。幸運にも彼女の最後の映画で共演することができて、また友人になることもできたんだ。

[FOR SANDY DENNISを読む・・・Recent Forgeries 80ページを見てください]

[拍手が起こる]

この詩は実は息子ヘンリーについてなんだ。これは彼が ??? の時何かから得た印象なんだ。KEEPSAKEです。

[KEEPSAKEを読む・・・Coincidence of Memory 25ページを見てください]

[拍手が起こる]

もう一つ詩を読むよ。これもヘンリーについてなんだけど、つまり・・・、物語なんだ。本を読んであげる時って、少し眠くなってくるだろう?それでもう起きてられないから、ライトを消して楽に横たわって、話を作っちゃうんだ。ヘンリーがそうなんだけど、子供は本にある話も好きだけど、それと同じくらいに作り話も好きだと思うんだ。僕は話を作ってあげることも読んであげることもできるんだ。これは始めはヘンリーに話を読んであげていたんだけど、しばらく読んであげると、いつも「もう一つ読んで」ってなるだろう?「また読むのか・・・」と思うけど、読み始めると1分も経たないうちに寝ちゃうんだ。この話の時は内容が面白くなっていったから、途中でやめないで最後まで話を作ったんだ。その後で眠りそうになりながら、「起きなきゃ、起きなきゃ、下に行ってこれを書きとめておかないと」と思ったんだけど、ともかく、BEDTIME STORY FOR HENRY という詩で、多分ヘンリーは2才か2才半だったよ。

[BEDTIME STORY FOR HENRYを読む・・・Recent Forgeries 95ページを見てください]

[話を聞きながら笑いが起こる]

翌朝、ヘンリーはプラスティックのおまるに座っていて、アニメを見ながらトイレをおぼえようとしているところだったんだけど、少なくともそういうプランだったんだ。それでヘンリーは突然振り返って「スノーモービルって何?」って聞くんだ。それでヘンリーは話を全部聞いてたんだって分かったんだよ(笑)。ありがとう。[拍手喝采が起こる] ありがとう。次が誰か知らないけど・・・。どうもありがとう。

translated by yoyo