Watertown Daily Times  1991.10 原文
ヴィゴ、カイロに発つ

『インディアン・ランナー』に主演したばかりの元ウォータータウンの住人、ヴィゴ・P・モーテンセン Jr は、『ルビー・カイロ』の撮影のため、エジプトのカイロに向かっている。

中西部に住む2人の兄弟(良い兄と、ダメな弟)を描いた映画『インディアン・ランナー』で、モーテンセン氏は、TV番組『セント・エルスウェア』で知られるディヴィッド・モースの相手役を演じた。他に、チャールズ・ブロンソン、デニス・ホッパー、サンディ・デニスといったハリウッドのスター達が出演している。このMGMユナイテッド・アーティスツの映画は、ポップ・スター マドンナとの短い結婚で有名な、31歳のショーン・ペンが監督・脚本を手掛けている。

インタビュー誌6月号は、モーテンセン氏による傷心のフランク・ロバーツの演技を絶賛した。「彼はショーン・ペンの監督デビュー作でスクリーンに火をつけるだろう。」 ブルース・スプリングスティーンの歌『ハイウェイ・パトロールマン』にインスパイアされた『インディアン・ランナー』は、ニューヨークシティとロサンゼルスで上映されている。モーテンセン氏の広報担当によると、映画会社は一般公開日をまだ発表していないそうだ。

『インディアン・ランナー』が終了し、モーテンセン氏は今、エジプトで4〜5週間に渡る『ルビー・カイロ』の撮影を開始するところだ。この映画は、『セックスと嘘とビデオテープ』や『グリーン・カード』のアンディ・マクダウェル、そして『復讐はわが胸に』や『ダークマン』のリーアム・ニーソンが出演する。監督はグレーム・クリフォードが務める。モーテンセン氏は、メキシコで死んだはずのマクダウェルの夫を演じる。彼女は夫を探し、ベルリン、アテネ、そしてカイロに行き着く。そこで、彼女は夫が生きていることを発見する。

1976年にウォータータウン高校を卒業したモーテンセン氏は、1980年にカントンにあるセント・ローレンス大学で政治学と語学を専攻し、 優等で卒業した。1年後、彼はニューヨークシティに移り、ウォーレン・ロバートソン演劇ワークショップに参加する。彼は、ウォータータウン・デイリー・タイムズにこう語る。「演じることは、試してみるってことなんだ。ワークショップに行って、通い続けたよ。」

彼は、ハリソン・フォードとケリー・マクギリス主演の『刑事ジョン・ブック 目撃者』(1985)、続いて『プリズン』(1986)、『想い出のジュエル』(1987)、『柔らかい殻』(1989)、そして『ヤング・ガン2』(1990)に出演した。モーテンセン氏は、妻のクリスティン・リー “エクシーン” 、息子のヘンリー・ブレイクとロサンゼルスに住んでいる。

初監督作にペン氏はなぜ無名の俳優を選んだのか、と聞かれた時、モーテンセン氏はこう答えた。「ショーンは僕たちに賭けてみたのさ。」

ペン氏は、『インディアン・ランナー』で俳優を扱う際に、彼の俳優としての経験は必ずしも役に立たなかったと言っている。「過去に監督がやったことで嫌いだったことのうち、自分がこの映画で各俳優にやらなかったことはひとつもなかったよ。」 彼は先頃、オーランド・センチネル紙にそう語った。「俳優を扱うということに関して、こうしようとか、これはしないとかいった沢山のメモを長年かけて作って・・・、そして、そのルールを全部破ったんだ。」

監督は、『インディアン・ランナー』の対立する兄弟が、彼自身の葛藤を反映しているという見解を否定する。彼は、現代の男らしさの心理についての批評としてこの映画を見ると言う。「性差別者のように聞こえないといいけど、」と、彼はAP通信のインタビューで言った。「よりドラマティックな力を持つものに惹かれているんだ。そして、それは男性により多く見られると思うんだ。男性を取り巻く神話は、不条理に男性の意識にのしかかっていて、男の方がつまらない人生を送っていると思うよ。」

translated by yoyo