Associated Press  2003.5.10
ロード・オブ・ザ・リングのスター、ヴィゴ・モーテンセンがハバナで写真展を開催

【5月10日−ハバナ】
多くのキューバ人は、劇場でヴィゴ・モーテンセンがオークと戦うのを見ていない。しかし、このアメリカ人俳優が今週ハバナで写真展をオープンした時、ロード・オブ・ザ・リングのスターを垣間見た人もいた。

3部作で勇者アラゴルンを演じるモーテンセンは、“A Hole in the Sun” と名づけられた50の写真の個展のオープニングに出席するため、1週間キューバを訪れた。写真展はハバナの Fototeca ギャラリーで6月まで開催される。写真は日常の風景やオブジェクトを写した抽象写真である。中には、光の使い方によって、何の写真か識別できないものもある。

「ずっとキューバを訪れてみたいと思っていたんだ。沢山のアメリカ人が思っているのと同じようにね。だけど、難しいことなんだ。」 モーテンセンは金曜に発行された共産党機関紙グランマでそう語っていた。「ハバナでは毎日何かが起こっているんだ。世界が知らないこと、写真家が見るようなことがね。僕たち写真家はいつも人より沢山のことを見るからね。」

モーテンセンはキューバに5月1日に到着し、水曜日に出発した。彼は、ハバナ・ビエンナーレ(市をあげてのアート展)のため、そしてキューバの “景色、街、壁、人々” の写真を撮るために、11月に戻ってくるかもしれないと言っていた。アメリカはこの共産主義の島国に対し貿易禁止措置をとっているため、ロード・オブ・ザ・リングはどれもキューバでは上映されていない。しかし、映画の海賊版は街で売られているし、キューバ政府は去年『旅の仲間』をテレビで放送した。

最新作『二つの塔』は、昨年多くの国で上映された。沢山のキューバ人が街でモーテンセンに気付き、興奮して彼に近寄っていったと Fototeca ギャラリーのディレクターであるローデス・ソカラスは言う。

「彼はキューバ人がロード・オブ・ザ・リングを見たことがあるとは思っていなかったんだ。」とソカラスは言う。「だけど、私たちが興味を持っていると分かると、質の良いロード・オブ・ザ・リングのビデオを持ってくればよかった、と言っていたよ。」 スペイン語に堪能なニューヨーク生まれのこの俳優は、絵も描くし、詩も書く。彼は『28Days』『クリムゾン・タイド』『オーバー・ザ・ムーン』といった映画にも出演している。

translated by yoyo