BBCi Films  2003.12 原文

「人生は哀しい。それは変えられない。だが、人生に対する考え方は変えられる」

By Alana Lee

もし、スチュアート・タウンゼントが、ピーター・ジャクソン監督の「ロード・オブ・ザ・リング」三部作のアラゴルン役を降りなかったら、ヴィゴ・モーテンセンは、「GIジェーン」、「ディライト」、「ダイヤルM」などが代表作の俳優となっていただろう。幸運にも、あのまじめなアラゴルン役を引き受けたことによって、彼は40代半ばにして思わぬ大スターになった。来春公開の、馬のレースを描いた「ヒダルゴ」は、彼のスターとしての力量を試す機会となるであろう。

Q: LotR三部作に出演して一番よかったことは何ですか。

みんなと一緒に仕事をしたこと。彼らは一生の友人だよ。剣ももらったし、最後にたくさんおみやげももらったけど、最高のおみやげは僕が吸収したもの。僕の心の中、気持ちの中に残っているものだよ。年を取っても、いつまでも忘れない。みんなとの仕事の思い出はね。

Q: アラゴルンを演じていて、一番大変だったことは?

忍耐力!労力も時間もかかったからね。一日の仕事の量が大変なものだったから、ちゃんと完成させるのに長期間かかったんだ。

Q:「王の帰還」ではフロドとアラゴルンの旅の終わりが描かれていますが、必ずしもハッピーエンドではありませんよね。この第三部のメッセージは何だと思いますか。

とにかく、人生は哀しいもの。それは変えられない。でも、人生に対する考え方は変えられる。この映画はそのことを伝えたいのだと思う。

Q: イアン・マッケランは、この三部作はすでにクラシックだと言っていますが、そう思いますか?

間違いないよ。これから十年、二十年、三十年たっても人々が観る映画だよ。人々に受け継がれていくだろうし、長く残るだろう。僕たち映画に関わった者だけじゃなく、全てのファンにとってもね。

Q: この三部作の中で好きなシーンはありますか?

撮影第一日目にNZのセットに足を踏み入れた時から、毎日が特別な日だったよ。だから、特にどのシーンとか、どの日、どのキャラクターが好きかなんて選ぶことはできない。これは「みんなで力を合わせること」を描いた映画なんだ。みんなが大家族の一員みたいなもので、みんながこの映画に対して同じ気持ちを抱いている。物語の中心は、「我々の間には、違いよりも共通したものの方が多い」ということなんだ。「我々を分けているものよりも、つないでいるものの方が多い」ということ。そして、撮影の間に、役者の僕達自身がそのことに気がついたと思う。

translated by estel