Horsecity.com  2003.12 原文
馬のいる暮らし:
馬はLotRのヴィゴ・モーテンセンに心の静けさをもたらす

horsecity.comの写真 (キャプション)
ヴィゴ・モーテンセンは、LotR撮影中、馬と一緒にいる時間は心が落ち着き集中できたと考える。

LotR三部作には馬を使ったシーンが多いが、ヴィゴ・モーテンセンには何の問題もない。かなりの馬好きであるモーテンセンは、彼が演じるアラゴルンにとって馬は重要であると考える。この大作映画で、アラゴルンは、「一つの指輪」を捨てる旅をするホビットのフロド・バギンズを助ける人間である。離れ離れになった後、フロドが旅を続ける間、アラゴルンは軍隊を率いてモルドールの勢力と戦う。複雑なストーリーだが、モーテンセンは馬が重要な役割を果たしていると考える。

モーテンセンは言う。「馬との関係は、物語の中で僕が演じる人物が築く関係の一つでもある。第二部のエクステンデッド・エディションでは、彼がある馬と出会い、優しくしてやると、助けに来てくれて、その後ずっと行動を共にするんだ。」

モーテンセンの馬に対する情熱は純粋なものである。「とにかく、そばにいて接しているだけで落ち着くんだ。犬や猫なんかとの関係と同じだと思う。みんな馬を怖がるけど、確かにそうかもしれない。体も大きいし、危険な場合もある。気をつけなきゃいけないね。」

16ヶ月にもわたる三部作の撮影の間、モーテンセンには馬の穏やかさが慰めの元となった。オフの日に厩舎を訪ねては、常に元気づけられた。「厩舎を訪ねる時は、とても疲れていて、車も運転してるし、そこまで一時間ぐらいなんだけど、「ほんとにもう寝ていたいよ〜」と思った。でも、馬のところに行って準備をし、乗って出かける頃には、ストレスも疲れもすっかり吹き飛んでいるんだ。乗り終えて、馬を洗ってやり、街に戻ってくると、何か楽しくなる薬でも飲んだみたいになる。とても気持ちが落ち着いて、生きててよかった、木々やいろんなものに気づくことができてよかったって思う。そして、これで次の週もいけるぞって思うんだ。」

馬に乗るシーンのない週が続いた後、突然に馬が呼び戻されることもあるため、乗馬のテクニックを保つことが重要だった。「何か月も休みなしで仕事をした時もあったよ。僕は、週6日、毎日最低14, 5時間だったけど、終わりの頃になると、みんな16, 7時間は働いた。だから、日曜といっても、ちょっとは寝るけど、もう習慣になっているから、朝は早起きだった。僕は、洗濯機に洗濯物を入れた後、馬に会いに行ったよ。仲良くしておかないと、まるまる一週間も二週間も馬に乗らない場合もあるからね。興奮して人や地面に向かってくることもあるから、準備しておいた方がいいんだ。」

モーテンセンは、撮影がスムーズにいったのは、馬とそのトレーナーのおかげだと考える。「ずいぶん乗ったけど、完成した映画に入らなかったシーンもあるんだ。全体として、かなりすぐれた馬たちだったと思う。だって、この三部作では、馬を使った難しい演技がたくさんあったのに、怪我はほんのわずかで、どの馬にも危険なことは全くなかったんだ。しかも、かなり難しい地形だったのに。すばらしい馬たちだったよ。」

translated by estel