Romantic Movies  2003.12.3 原文
ヴィゴ・モーテンセン、LotRを振り返る

北米プレミアインタビュー

LotR: RotKのスターたちを一目見ようと、ファンたちが何時間も立ちつくしている。ヴィゴ・モーテンセンが北米プレミアのレッドカーペットに現れると、あらゆる年齢層の女性たちからの呼び声と口笛で迎えられた。モーテンセンは、いつもの冷静さを崩さず、インタビューを中断してまで、観衆の声に耳を傾け、笑顔で手を振って応えた。レッド・カーペットは興奮に包まれていたが、ヴィゴ・モーテンセンは、この三部作の最後となる作品について、質問に辛抱強く答えてくれた。

Q: 仲間たちの旅も終わり、三部作が完結しました。今のお気持ちは?

さびしいとも思わないよ。終わったことを認めたくないのかもしれないけど。しばらくはこのままの状態が続くと思う。ここにいる仲間たちとはいつまでも友達だよ。みんなとここにいられるのは本当にうれしい。プロモーションのために僕一人で南米に行って来たんだ。楽しかったよ。でも、みんなとここにいる方がもっと楽しいね。

Q: 外国で三作も撮影して苦労を共になさったみなさんですが、これからも親しい間柄は続くと思いますか?

正直言うと、外国という気はしなかった。初めからNZは自分の家のような気がしたよ。僕達はずっと友達でいると思うよ。ここにいるみんなを見るたびに、そう思う。隠しようもない。ほんとにいい感情しか抱いていないから。いつも一緒になって何かおもしろいことをやらかすんだ。わかるだろ?

Q: この三部作は、今から何十年たっても人々が観る・・・

僕らの子供たちが集まって、「あ、ママだ、パパだ。一緒に映画を作ったんだね」なんて言う姿が目に浮かぶよ。そうやって受け継がれていくものがあると思うし、僕達出演者だけではなく、ファンの心の中でも、ずっと生き続けていく映画だと思う。

Q: 撮影中、特に心に残っている日はありますか?

最初の日、かな。僕は遅れて参加したから、準備期間があまりなかったんだ。1999年10月の最初の撮影の日。今から4年以上も前だけど、この日は緊張している暇もなかったよ。NZに着いて数日のうちに仕事をしなければならなかったからね。でも、今思うと、現場に足を踏み入れた時、みんなが「さぁて、彼はどんなふうにやるんだろう」って思っているのを感じたよ。撮影はすでに数週間前から始まっていたからね。全然緊張しなかったよ。ただ、僕に対する信頼がその日から本物となるようにって、みんなが期待してるのがわかったんだ。僕はみんなのためにベストを尽くしたかった。だからこの日が忘れられないんだと思う。

Q: キャストに加わる決断を疑ったことはありますか?

ないよ。決断は決断だったから。今でもそうだけどね。一度決めたら、がんばってやるだけだよ。

Q: またこれだけのスケールの仕事をなさいますか?

ストーリーがうんと良かったらね(笑い)。

Q: 三部作の中で気に入った場面はありますか?

今。同じことを昨日聞かれたら、昨日って答えたと思う。つまり、この仕事に関しては、初めから毎日が特別な日だった。選ぶことなんてできないよ。どのシーンが好きかとか、誰が好きかなんて言えない。みんな一つの大家族のように結びついているからね。こんな風にして映画は作られるべきだし、映画とはこういうものだって考えるべきだ。これはそういう映画なんだ。

Q: 一番大変だったことは何ですか?

忍耐の一言。長期間だったし、仕事の量も多かった。予定変更も毎日だったし。

Q: なぜこの三部作が世界中でこれだけ多くのファンを惹き付けるのでしょう。

その土台となるもの、つまり原作を見ればわかるよ。この本はカルト的存在で、長い間に膨れ上がり、この映画が作られる前にはすでに巨大な存在になっていたんだ。それと同じ理由だよ。みんなが自分の人生に当てはめて考えることのできる作品だからなんだ。その核心にあるのは、 「我々には違いよりも共通するものの方が多いということ。自分の言葉や行いが他人にどんな結果をもたらすかを考えてみた方がいいということ。」 この原作を読む時、この映画を観る時、出身も演技のスタイルなども違っていながら一緒に仕事をしたこの人たちを見る時、そのことを思い出すんだ。そのことを僕はこの本から学んだし、観客もそこに気持ちが通じるんだと思う。

translated by estel