Vecko-Revyn NR 3  2003.1.30
“I'm shy with women”

神秘性、申し分のないクラシックなルックス、大作映画への出演。ヴィゴ・モーテンセンは、それら全てを兼ね備えている。しかし、スクリーンを離れると、彼はシャイで、息子と元妻と過ごす時間を何よりも大切にするアーティスティックな男である。本誌はロサンゼルスで彼の話を聞いた。

ヴィゴ・モーテンセン
生まれ: 1958年10月20日、アメリカ・ニューヨーク
住まい: アメリカ・北カリフォルニア
好きなもの: 雨、瞑想、サッカー、旅行、言語(彼は英語、デンマーク語、スペイン語を話す)
主な出演作: 「刑事ジョン・ブック/目撃者」 「ヤングガン2」 「インディアン・ランナー」 「カリートの道」 「クリムゾン・タイド」 「ある貴婦人の肖像」 「G.I ジェーン」 「ダイヤルM」 「デイライト」 「サイコ」 「28Days」 「ロード・オブ・ザ・リング」三部作
最新作: 「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」
現在撮影中: 「Hidalgo」 (実際に起こった出来事を元にした作品で、彼は長距離ライダーのフランク・T・ホプキンスを演じる)

ヴィゴ・モーテンセンはシャイである。有名人である事に戸惑いを覚え、できるだけ公の場に出る事を避けている。

「有名人になりたくて、俳優になったわけじゃないんだ」 インタビュー場所となったロサンゼルスで、半分デンマークの血を引いたシャイな男が口を開く。流暢なデンマーク語で、彼は続けた。「正直言えば、お金のために映画に出る事もある。[ロード・オブ・ザ・リング]は別だけどね。この映画に出たのは、きっと、精神的に豊かになれるような経験ができると思ったからなんだ」

[ロード・オブ・ザ・リング]で、ヴィゴは演技に没頭し、誰よりもハードな仕事をこなした。

「ほとんど着のみ着のままで、裸足で歩き回ったりしてたよ。撮影のない時でも、アラゴルンの衣装を着てね。よく屋外で寝そべって、役の事について考えたな。彼の一部は、もう僕の一部になってる」 演じた役の扱いが小さくても、あまり気にしないのだと彼は言葉をつなげた。

しかし、アーティストとしての活動には、別の楽しみもあるようで。 「詩や写真となると、これはもう、僕だけのものなんだ。誰かのヴィジョンの一部じゃない」 ヴィゴは、頭の先からつま先までヒッピーそのものである。裸足で歩くことを好み、愛や平和を語り、世界中の物事について理解しようと努める。あまり知られていないが、彼は詩と写真、絵画で構成した本を何冊か出版しているのだ。「アーティストとしては、色々な方面に興味が向いてるんだ。詩の朗読と音楽をミックスしたCDも作ったよ」 彼のアウトドア好きは、デンマークで過ごした夏から始まったのだという。「僕の父はデンマーク人で、僕も、毎年夏になるとデンマークの祖父母の農場で過ごしていたんだ。一日中、外で遊んでいたよ」

自分が “世界でもっとも魅力的な独身男性” に数えられているといった話題は、ヴィゴはあまり好きではないらしい。「自分の恋愛の話なんて、したいと思わないよ」 気さくな調子は崩さずに、きっぱりと彼は言う。「まぁ、言える事は、別れた妻とは今でも良い友達で、僕らは家族としてよく一緒に過ごしてるって事かな」 彼の元妻は、イクシーン・セルベンカ。アーティストであり、ミュージシャンであり、パンクバンドXのシンガーでもある。二人の間には、14歳になる息子のヘンリーがいる。

一度ならず “世界でもっとも魅力的な男” に挙げられるヴィゴなら、女性と出会うチャンスに不自由はしないだろう。もし彼が望めば、だが。「僕に会うために、女性が列を作っているんだろう、なんてよく言われるんだけど」彼は言う。「そんなふうに思った事はないよ。すごくシャイなんだ。子供の頃は、満足に女の子と話すことさえ出来なかったんだから。全然モテるタイプじゃなかったよ」 この話になると、彼はどうも決まりが悪い様子だ。“女性” という話題は、インタビューの題材としてどうやらあまり良くないらしい。

「ヴィゴは、女性にとって自分がどんなに魅力的かって事、全然分かってないんだ」と、友人のイライジャ・ウッドは言う。「注目を集めると、落ち着かないみたいだね。彼は、華やかなハリウッドのプレミアを飛び回るようなセレブ・タイプじゃないんだ。だってさ、裸足で走り回ったり、スピリチュアル・アートの話をしたりする男なんだよ!」イライジャは笑って締めくくった。「ヴィゴは素晴らしい仲間だよ。すごく特別なんだ。他人の意見には、絶対に左右されない。すごいと思うよ」

translated by chica