The Atlanta Journal-Constitution  2004.2.19 原文
指輪のスターはウエスタン、でもブーツはいりません

By A. Scott Walton

単純明快な質問に対する長く複雑な答えが聞きたければ、ヴィゴ・モーテンセンに尋ねるといい。『ヒダルゴ』で初めてカウボーイを演じる彼に、子供の頃見た西部劇の影響は?と尋ねてみた。

モーテンセン(45)は、まずこう切り出す。「カウボーイは好きだよ、とても。子供の頃、カウボーイになったり、インディアン(ママ)になったりして遊んだよ。」

ハンサムだがミスキャストのモンゴメリー・クリフト(『赤い河』(1948年)でのジョン・ウェインの敵役)にも少し触れ、最後は、新作映画のタイトルロールを演じた馬(T.J.)の自然な表情が、ストーリーを伝えるのにいかに重要だったかで結ぶ。答え終わったのは10分後である。

「いくつかいいショットが撮れればラッキーと思っていたのが、"うん、T.J.は何度でもできるじゃない" と思うようになっていたよ。」

これがモーテンセンのやり方。自己分析をして注目を浴びようとしない、"演じること" を単に技と考える、きちんと敬意を払う。

『ヒダルゴ』は、19世紀のアラビアを舞台にした馬のレースを描いた大作。モーテンセンは、実在の人物でムスタングの乗り手、フランク・T・ホプキンズを演じる。

彼は、ウェスタンをテーマにした、AJCのフォト・セッションのモデルを引き受けてくれた。だが、結局彼が選んだのは、自分のプロモーション・ジャンケットのスーツケースから取り出した、着古した(しかし素敵な)服だった。撮影用にデザイナーブーツを苦労して持ってきたのも水の泡。モーテンセン、『ロード・・・』三部作の戦士であり王のアラゴルンでスターとなった彼は、裸足がお気に入りだった。

「とにかく、気持ちいいんだ」と、だいぶ時間もたってめずらしく饒舌な彼。「真偽のほどはわからないけれど、これだと腰が楽な気がするんだ。半分面倒くさがりということもあるけどね。"このホテルにいて、どこにも出かけないんだったら、靴なんて必要?" って思うくらいだから。」

ルックスの話題になるにつれて、彼の答えはそれて短くなっていく。 『ピープル』誌の "最も美しい人々"(2002年5月)の一人に選ばれたほどのハンサムに、おしゃれな服が必要かと聞くと、彼はこう答える。「[洋服のことなんか]あまり考えないな。うん。でも、最低限、"清潔な" ものを着るようにしてるよ。」

写真のキャプション

ajc.comの写真 ajc.comの写真 映画『ロード・・・』のアラゴルン役のヴィゴ・モーテンセン、今度はウェスタンの服装で。新作『ヒダルゴ』のプロモーションで滞在中の、ミッドタウンのフォーシーズンズホテルにて。馬のレースがテーマのこの映画は3月5日公開。

translated by estel