nwitimes.com  2004.8.3 原文
ヴィゴがイナゴ、人生、リヴ・タイラーとのキスについて語る

『ロード・オブ・ザ・リング』と『オーシャン・オブ・ファイアー』のスターに INKが独占インタビュー

By Molly Woulfe

ヴィゴ・モーテンセンは、ハリウッドで最も熱い俳優の一人である。ニューヨーク生まれの彼は、画家であり、本も出版している詩人。そして、王になりたがらない男でもある。

『目撃者』 (1985)で映画デビューして以来30本以上の作品に出演しているモーテンセンだが、『ロード〜』三部作の沈思黙考のアラゴルン、別名ストライダー役で、一夜にして有名になった。ゴンドールの王位継承者の次の作品は『オーシャン〜』(2004)。東洋と大西部という東西の出会いを描く大作で、アラビア砂漠縦断3千マイルレースで、飢えと砂嵐と自らの過去と戦う悩めるカウボーイ、フランク・ホプキンスの話である。このディズニーのビデオは本日入荷する。

一人息子ヘンリー(16)の父親である彼の次回作は、17世紀の冒険家を描いたスペイン映画の大作『アラトリステ(仮称)』。モーテンセン(45)はINKとの独占インタビューに応じてくれた。質問を寄せてくれた、ポーター郡ユニオン・タウンシップ中等学校8年生の皆さんに感謝。

1. 通知表に先生はどんなことを書いたんですか?

「大変悪い」から「良い」とか「すばらしい」まで、何でもありだよ。一度、ある先生がしたことで、ちょっとひっかかることがあったんだ。今でもその絵を持ってるけど。鉛筆とクレヨンで絵を描く宿題で、とっても複雑なものだった。森の中で赤ずきんちゃんがオオカミに出会う絵で、花や様々な色合いの緑があってね。...そしたら、赤インクで「大変悪い」って書いてあったんだ。 ...子供の絵を評価するのにそんなことを書く必要なんてないよ。もっと建設的な説得の仕方だってあるだろうに。アートはとても主観的なものなんだ。作品の上に書いて汚すなんて許せないよ。

2. 許せない、ですか?

ひどいよ!別に同情を求めているわけじゃないよ。僕が絵を描き続けたことだけは確かだからね。それほどのダメージじゃなかったってことさ。

3. 役者になろうと決めたのは何歳の時ですか?

21か22ぐらいかな。映画ってどうやって作られるんだろうって思い始めたんだ。単に好き嫌いの問題じゃなくて。良くできた作品の時、とっても簡単でシンプルに見えた時、信じられる内容で、スクリーンでの演技やストーリーに感動した時なんか特にね。どんな仕掛けなんだろう、どうしてあんなに芝居が上手な人達がいるんだろうって思った。それで、確かめに行ったんだ。学校に入り、演劇ワークショップで少し勉強を始めた。少し励ましも受けた。わずかな励ましとわずかな運こそ必要なんだよ。

4. 『オーシャン〜』では、本当に砂漠で死んだイナゴを食べたの?

死んですぐだったら、食べたかも。とにかく、ローマ出身のイタリア人スタッフが、ほとんどクッキーみたいなもの(代用品)を作ってくれたんだ。ベイクしてね。とても精巧にできていて、触角も足も全部揃ってた。ほんとによくできていたよ。しかも、中には、イナゴをつぶした時に出てくるような、ドロッとしたものまで入っていたんだ。だから、噛むと、パリッとつぶれて、ドロッと出てくるんだよ。

5. 映画では馬もイナゴが気に入ってましたね。あれは、本物のマスタング?

うん、あれはTJという馬。厳密にはマスタングじゃないんだ。そう見えるけどね。本当はまだら馬だよ。ミシガン州のある農場で見つけたんだ。本物のマスタングそっくりで、とても小さくコンパクトなのに頑丈なんだ。

6. 馬に肩をくわえられて引っぱられるシーンは痛かった?

ノー。彼はいつも僕のシャツをくわえたからね。一度、あやうく僕の首を噛みそうになったことがあったよ。間違って。ちょっと恐かったな。でも、あまり傷はつかなかったよ。

7. ガールフレンドはいますか?

女性の友だちは大勢いるよ。ママも含めてね。(笑)

8. 暇な時は何をしているんですか?

だいぶ前だからな〜。おぼえてないや。(笑)いや、おぼえてるよ。絵を描いたり写真を撮ったり。油絵もやってる。散歩もいいね。馬にも乗ってる。水泳も。自然がいっぱいの場所にいるのも好きだな。森とか砂漠とか。

9. どうして国連バッジをつけているんですか?

気に入ってるんだ。その考え方もね。反対語の「分裂」よりはいいからね。

10. 『ロード〜』で大活躍の後、生活は変わりましたか?

(あの映画がなかったら)僕は今ここにはいない。『旅の仲間』の人気がなかったら、フランク・ホプキンスの役も来なかっただろう。... 僕の詩の朗読会や写真展に来てくれる人たちが以前より増えた。僕が出版した本を買ってくれる人たちも増えたよ。

11. 今や、あちこちひっぱりだこでしょうね。どうしてるんですか?

ほとんど行かない。(笑)

12. 『旅の仲間』に出演する前から、J.R.R.トールキンのファンでしたか?

ノー。トールキンもホビットも『指輪物語』のことも聞いたことはあった。でも、あまりよく知らなかった。エルフやドワーフについてのおとぎ話か何かだと思っていた。あの役を得てすぐ、映画でどんなことをするのかと思い、原作を読み始めた。... ヨーロッパのおとぎ話だけじゃなく、サムライ、ネィティブアメリカンの神話など、他の多くの文化のテーマでもあることに気づいたんだ。つまり、ヒーローの旅とか登場人物たちが試されるというアイディアがね。

13. 『ロード〜』の仕事をするよう説得したのは、息子のヘンリー君ではありませんでしたか?

ちょっとはそう言えるね。彼は、絶対にいいアイディアだと思ったんだ。でも結局は、決断を下さなければならないのは自分だよ。

14. 息子さんは、あなたをカッコイイと思っていますか?

違うと思うな。この言葉でいいかどうかわからないけれど、親を親とも思っていないんじゃないかな。普通のティーンエイジャーだよ。だけど、僕のこと、ちょっと間抜けな奴って思っていることが多いんだ。アラゴルンやフランク・ホプキンスのイメージで見てはいないよ。僕が父親だってわかってるんだ。

15. どうやって、王様らしいアラゴルンの役になりきったのですか?

いつもの方法だよ。精一杯走り、精一杯考え、持っている技を精一杯磨き、剣やパイプ、衣装といった小道具に慣れるよう努力する。仕事が始まったら、常にこういった努力をしていた。いつも注意力を絶やさなかったよ。

16. もしなれるなら、中つ国の本物の王様になりたいですか?

ノー。多分。どちらかというと、ストライダーがいいな。

17. 『王の帰還』で、エルフのお姫様リヴ・タイラーにキスした時は、どんな感じでしたか?

(ゆっくりと)すてきだったよ。

18. これまで出演した中で、好きな映画は?

好きなものを選ぶのは難しいな。どの仕事でも、何かしら学ぶことがあったから。

19. 年を取ったら何をしたいですか?

僕は、長期目標を立てて、年を取らないようにしてるんだ。

20. 若い役者に何かアドバイスは?

大切なことは3つ。当たり前のことのようだけど、みんな必ずしも気をつけているわけじゃない。それは、準備ができていること。台詞をおぼえることも含めてね。時間通りに出勤すること。そして、注意を怠らないこと。有名なアメリカ人の監督で、いい作品をたくさん撮っているシドニー・ルメットがこう言っているんだ。「仕事の大部分は、アクシデントに備えて十分に準備をすることだ。」 僕、わかりやすく説明しているんだよ!

translated by estel