Toronto Sun  2004.2.3
お金が一番じゃない: ヴィゴは良いシナリオを待っている

By Jim Slotek

canoe.caの写真 彼は、世界で20億ドルもの収益を挙げた三部作の一つ、『LotR王の帰還』で王を演じた人と聞くと、さぞかしお金ももうかっただろうと思うだろう。しかし、ヴィゴ・モーテンセン、またの名は「真の王アラゴルン」は、この映画でリッチにはならなかったと言う。それより、そろそろ仕事を探す時期だと語る。

彼は、主演作『ヒダルゴ』の宣伝のため、昨日ここを訪れた。これは、19世紀末にサハラ砂漠横断3千マイルレースで世界最高のアラブ馬と戦った、伝説のムスタングと騎手の物語である。

「大ヒット作に出れば、一時的に仕事のチャンスも増える。残念ながら、もともと大して面白くもないストーリーの焼き直しや拝借で、平凡でつまらないものがほとんどなんだ。」

「だから、いつものことをやるだけさ」と45歳のモーテンセンは言う。「いいものが見つかるのを待つ。金が尽きたら、その時あるもので精一杯やるんだ。LotRの撮影がだいぶ前に終わり、去年は映画作りの話しをして終わった。話だけじゃお金にならないからね。だから、(支払いのために)何か探さなくちゃならない。スペインでの仕事の予定があるけど、ダメになるといけないから、ここでは話さないよ。スペイン語で何かをしたいんだ。」

モーテンセンは、画家、写真家、詩人、ミュージシャン(バケットヘッドの前衛的な日本人ギタリストと共に、音楽及び朗読のアルバムを出している)であるが、ボヘミアンの生活をしてきた。他のアートをやる資金稼ぎに映画に出たり、時には、その逆だったり。26歳でピーター・ウィアー監督の『目撃者』に出演した時、彼はかなりもてはやされた。

「僕もかなり老けて、金と名声にはかなりシニカルなんだ。」

2002年10月、モーテンセンは、カウボーイ、フランク・ホプキンズの実話に基づいた、『ヒダルゴ』のロケでモロッコのサハラ砂漠にいた。米外交を厳しく批判するモーテンセンは言う。

「イラク侵攻は、ゴーサインの出た “映画” だというのが、そこでは誰の目にも明らかだった。茶番にもかかわらず、実際に起こりつつあったんだ。そこの人々が敵意を抱いても不思議はなかったのに、僕はこういう言葉をよく耳にした。私たちはアメリカの人と文化が好きです。なぜ、みなさんが自国の政府を止められないのか、私たちには理解できません、と。」

translated by estel