USA TODAY  2004.3.2 原文
セレブたち、『ヒダルゴ』プレミアに競って駆けつける

By William Keck

usatoday.comの写真 (キャプション)
ムスタングのTJに乗り『ヒダルゴ』プレミアに到着するヴィゴ・モーテンセン

ロサンゼルス発 — 雨の中、月曜夜のハリウッド大通り、アカデミー賞授賞式の仮設舞台付近では、前日のオスカーの華やかさはわずかしか感じられない。その時、暗がりから、ファンの歓声にのって、『ロード・オブ・ザ・リング』のマジックが再びよみがえる。王アラゴルンが力強い馬に乗って登場したのだ。観衆は、アラゴルン別名ヴィゴ・モーテンセンが、黒いデザイナースーツ姿でも気にしていない様子。この馬が実際にモーテンセンの新しいペット、TJという名のムスタングであることも。

このハンサムな俳優、オスカー授賞式は欠席したが、ディズニーのエル・カピタンシアターでの、クラシックスタイルの冒険映画『ヒダルゴ』(金曜公開)のプレミアに出席。「彼は親切にも、今夜僕を招待してくれたんだ。」モーテンセンは、ヒダルゴを演じた4頭の馬のうちの、この一頭についてこう語る。撮影終了後、彼はこの馬を購入している。「彼の今夜のデートの相手は僕なんだ♪」

この映画でモーテンセンは、荒馬を乗りこなすカウボーイ、フランク・ホプキンスを演じている。馬のレースでアラビアの砂漠を横断するが、目当ては二つの賞。賞金とアラビア美女の救出である。

コダック・シアター付近を通った時、モーテンセンは、『王の帰還』オスカー11部門受賞のお祝いに参加しなかった理由をこう語る。「そこにいたら、いてもたってもいられなかっただろうね。出席しなくても、家族と一緒にテレビで観られただけでうれしいよ。」

『ロード』の共演者の方でも、全くこのことを気にしていない。実際、モーテンセンは、彼らを大勢自分のプレミアに個人的に招待している。

レッドカーペット上では、ジョン・リス=デイヴィス(『ロード』のギムリ)が、ニューラインシネマのパーティで、ピーター・ジャクソン監督の受賞スピーチを見た理由をこう説明。「チケットが足りなくて。アカデミーの会員の僕でさえチケットがなかったんだ。アカデミー側は、ピーターのそばには四人のホビットを座らせたかった。リヴ(タイラー)とイアン(マッケラン)はプレゼンターだったしね。」

上映の後、ゲストはバスで近くのスタジオに移動。ベリーダンサーにクスクスと、華やかなモロッコのカスバに早変わりしていた。最初のバスから降りてきたのはホビットたち。イライジャ・ウッドとドミニク・モナハンは、スティック・ポニーに乗ってパーティー会場にギャロップで駆けていく。「ドミニクを迎えに行く途中、トイザラスで15ドルで買ったんだ」とイライジャ。「音が出るってわかったんだ。いい、聞いて!」とモナハンが付け加える。「ヒヒーン!」

参考写真
(参考写真)

モーテンセンの『ヒダルゴ』の共演者で、シックなシーク役のオマー・シャリフが友人のジャクリーン・ビセットと一緒にいる。自ら出演した名作『アラビアのロレンス』(1962年)とこの映画を比較。また、モーテンセンのことを「めずらしく全く欠点のない男」と言ったのに対し、エゴの全くないヴィゴは控えめにこう答えた。「いや、時々落馬したよ。」

translated by estel