USA TODAY  2004.1.13 原文
ミドルアースの後の人生

usatoday.comの写真 靴。それが『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の監督であり、ホビットと同様に裸足を好むことで有名なピーター・ジャクソンが、恐ろしい指輪の代わりに滅びの山に捨てるものだ。

この歴史的な3年に渡る冒険は終わりを迎え、最終章『王の帰還』は4週連続で興行収入1位の座を獲得し、ボックスオフィスを制した。USA TODAYは、メイン・キャラクターを演じた俳優たちに、この最終章と、指輪後のプロジェクトについてインタビューした。

そして、彼らもまた、滅びの山の燃え盛るピットに何を捨てるのかを教えてくれた。

イライジャ・ウッド: ホビットのフロド

王の帰還で一番好きなシーンは? フロドが滅びの山の山腹で倒れた時に、サムがシャイアを思い出させようとするシーン。

一番懐かしく思うものは? ピーターや、クルー、俳優たちと仕事をすること。

懐かしく思わないものは? プレス用のツアー。本当に消耗するプロセスなんだ。

滅びの山に何を捨てる? そこまでどうしても捨てたいと思うようなものがあるとは思わないな。ネガティヴであろうとポジティヴであろうと、僕たちの人生では何か理由があって物事に遭遇していると思うんだ。

次のプロジェクトは? 3月19日公開の『Eternal Sunshine of the Spotless Mind』。コンピューター・アニメ『Happy Feet』のMumble(ペンギン)の声。

ジョン・ノーブル: 狂ったゴンドールの執政官

王の帰還で一番好きなシーンは? サムが最後の何ヤードかを、フロドをかついでいくシーン。

一番懐かしく思うものは? 私は喜んでこの扉を閉じ、次に進もうとするだろう。そうすることで、これは私にとって特別なものとして残り、物悲しく思うこともない。

懐かしく思わないものは? どの瞬間も、いつか宝物のように大切になると思う。

滅びの山に何を捨てる? ゴシップ。後ろ向きなものから生まれるものだから、嫌いなんだ。

次のプロジェクトは? ベルリン映画祭で公開になるニュージーランド映画『Fracture』。「犯罪を背景にした2つの家族の話で、私はたたき上げの不動産開発業者を演じるんだ。」

バーナード・ヒル: ローハンの王、セオデン

王の帰還で一番好きなシーンは? サムが “Mr. Frodo, I can't carry it for you, but I can carry you.” と言うところ。“Frankly, my dear, I don't give a damn.” と肩を並べるようなセリフだと思うよ。(訳注:前者はサムがフロドをかつぐ時のセリフ。後者は『風と共に去りぬ』でのクラーク・ゲーブルの有名なセリフ。アメリカでは誰もが知っているセリフと言っても過言ではないかも。「知らないね、勝手にするがいい」というような意味。)

一番懐かしく思うものは? ニュージーランドにいたこと。そして、ピーター・ジャクソンと仕事をしたこと。

懐かしく思わないものは? 乾いていれば22kg、濡れていれば25kgにもなる重い鎧を着ること。

滅びの山に何を捨てる? 自分の短気さ。

次のプロジェクトは? ポール・ベタニーとキルスティン・ダンスト主演のテニス・ドラマ『Wimbledon』(9月24日公開)。「小さな役だけど、ポールの父親を演じるんだ。」

ミランダ・オットー: ローハンの姫君、エオウィン

王の帰還で一番好きなシーンは? 大好きなシーンは3つ。セオデンが丘にいる軍隊に出発を命じて走り出すシーンと、戦闘の真っ只中でガンダルフが死についてピピンに語るシーン、そしてサムがフロドを背負うシーン。

一番懐かしく思うものは? ミドルアース。私たち全員の一番良いところを引き出してくれたから。

懐かしく思わないものは? ゴチャゴチャの撮影スケジュール。「あるシーンを撮影して、その後、それより前のシーンを2ヵ月後に撮影することもあったわ。」

滅びの山に何を捨てる? 録音された電話の音声案内メニュー。

次のプロジェクトは? デニス・クエイド、ジョバンニ・リビシ、タイリースと共演する『The Flight of the Phoenix』。

ドミニク・モナハン: ホビットのメリー

王の帰還で一番好きなシーンは? 戦場でメリーが倒れてしまった後に、ピピンがメリーを見つけるシーン。前2作ではメリーがピピンの面倒を見ていて、それで今度はぐるっと回ってピピンがメリーを気遣う、そのアイディアが気に入ってるんだ。

一番懐かしく思うものは? 彼らと仕事をすること。10周年の同窓会をやって、またみんなで集まるつもりだよ。

懐かしく思わないものは? 何もないよ。どんな側面も楽しんだね。

滅びの山に何を捨てる? 異なる領土や異なる国という考え。僕たちは同じ地球に住んでいて、同じものを求めているんだ。

次のプロジェクトは? 労働階級の友人と不法労働者についての『Spivs』。

ビリー・ボイド: ホビットのピピン

王の帰還で一番好きなシーンは? ピピンがもう死ぬと思って、ガンダルフに “I didn't think it would end this way.” と言うシーンに、本当に弱くってね。

一番懐かしく思うものは? 彼らと仕事をできたことは、本当に特別なことだったよ。

懐かしく思わないものは? ホビットになるために、毎朝3時間もかけて準備をすること。

滅びの山に何を捨てる? 武器。

次のプロジェクトは? 現在 『マスター・アンド・コマンダー』に出演。ロンドンで撮影予定のロマンティックコメディ『On Love』に出演するかも。

オーランド・ブルーム: 弓の名手のエルフ、レゴラス

王の帰還で一番好きなシーンは? バックに溶岩が流れる中、フロドとサムが岩の上に横たわっているシーン。世界を救ったばかりの小さな2人のホビットがね。

一番懐かしく思うものは? 友人になった人たち。

懐かしく思わないものは? 耳よりも、カツラかな。心地良くないんだ。

滅びの山に何を捨てる? 嘘。

次のプロジェクトは? 5月21日公開のギリシャ神話『トロイ』。ケイマン諸島での3つのストーリーを追う、ビル・パクストン、ガブリエル・バーン共演の『Haven』は撮影が終了し、『Black Hawk Down』のリドリー・スコットが監督する大作『Kingdom of Heaven』の撮影が開始になる。

リヴ・タイラー: エルフの姫、アルウェン

王の帰還で一番好きなシーンは? ホビットたちがシャイアに戻った後の、パブでのシーン。ビールを片手に小さなテーブルに座っている。それこそが、彼らがずっと夢みていたもので、彼らはお互いに何かを語ることもないの。彼らが経験したことの凄さが見て取れるわ。

一番懐かしく思うものは? 新しく築いた友情や人間関係。

懐かしく思わないものは? 耳。

滅びの山に何を捨てる? 冷酷さ。

次のプロジェクトは? ベン・アフレックとの共演作『Jersey Girl』(3月19日公開)。ケーシー・アフレックとの共演作『Lonesome Jim』も、もうすぐ撮影開始。

イアン・マッケラン: 魔法使いのガンダルフ

王の帰還で一番好きなシーンは? 王の戴冠式で、ホビッツが王にひざまずこうとした時に、逆に王様がひざまずき、そして他のみんなもホビッツにひざまずくシーン。

一番懐かしく思うものは? ニュージーランド精神。

懐かしく思わないものは? カツラは嫌だったね。そして、人工の鼻に1日中覆われているのも楽しくなかったよ。

滅びの山に何を捨てる? 携帯電話は溢れているよね。

次のプロジェクトは? ブロードウェイのショー『Dance of Death』のオーストラリア公演が1月にある。彼はX-Menの続編で、マグニートとして戻ってくるのか? 「ブライアン・シンガー(監督/脚本)が王の帰還のLAプレミアのチケットを欲しがっていたから、手配しておいたよ。」

ショーン・アスティン: ホビットのサム

王の帰還で一番好きなシーンは? 最後に娘(7歳になる実の娘アレクサンドラ)を抱きかかえるシーン。

一番懐かしく思うものは? 誠実に仕事をしているということを知っていることから来る、自信や重大さを感じること。

懐かしく思わないものは? 『ロード・オブ・ザ・リング』のプロモーションと、映画の製作。僕にはとてもハードだった。

滅びの山に何を捨てる? 体脂肪を6%ほど。

次のプロジェクトは? アダム・サンドラー、ドリュー・バリモア主演の『50 First Dates』(2月13日公開)。彼はバリモアの兄弟のダグを演じる。「ちょっとマヌケなやつなんだ。」

ヴィゴ・モーテンセン: 王になろうとした男、アラゴルン

王の帰還で一番好きなシーンは? ミナス・ティリスが攻撃されていることを告げる「のろしのシーン」。

一番懐かしく思うものは? 終わらなきゃいけないとは思わないんだ。急いで忘れようとは思っていない。剣や他に土産をもらったけど、心や頭に残っているものとは比べものにならないよ。

懐かしく思わないものは? 不満なんて何も思いつかないさ。

滅びの山に何を捨てる? 傲慢さ。

次のプロジェクトは? 馬のレースのアドベンチャー 『Hidalgo』(3月5日公開)。

デヴィッド・ウェンハム: デネソールの息子、勇者ファラミア

王の帰還で一番好きなシーンは? サムがフロドをかついでモルドールに向かうところ。原作やこの映画についてのすべてを集約していると思う。

一番懐かしく思うものは? 人。映画を作るのは人だから。

懐かしく思わないものは? これが最終章だから、悲しく思うかと質問されること。実際には、このプロジェクトには嫌な部分なんてないよ。

滅びの山に何を捨てる? 無知。

次のプロジェクトは? 5月7日公開の『ヴァン・ヘルシング』。「僕は修道僧でヴァン・ヘルシングの親友なんだ。」

translated by yoyo