BostonHerald.com  2005.5.17 原文
ヴィゴ:新作での暴力の使用は指輪のように本物

By Stephen Schaefer

フランス、カンヌ発—彼は『ロード・オブ・ザ・リング』の英雄的戦士アラゴルンを再び演じているのはない。だが、昨日カンヌ映画祭でデビューした『ヒストリー・オブ・バイオレンス』で、ヴィゴ・モーテンセンの生死の戦いは、会場に拍手と息を飲む声をもたらした。

現在スペインにて17世紀のドラマを撮影中のため、プリンス・バリアント(訳者注:ハル・フォスターが描いた冒険漫画)風のヘアスタイルに天神ヒゲをたくわえてここリビエラに到着したモーテンセン。長かった『指輪』の経験が、今回の現代のギャング映画に役立ったと語った。

「少しは練習になったよ」と彼は言う。

一方、デイビッド・クローネンバーグの監督、マリア・ベロ及びウィリアム・ハートと共演の『ヒストリー〜』では、暴力の裏に隠された意味がある、とヴィゴは指摘する。

「デイビッドの映画では、暴力は魅力的に扱われているのでもなく、美化され持つことが奨励されているのでもない」とモーテンセンは言う。「これは権力についての映画なんだ。権力が人々に何をし、どう行使されるか、そして、暴力が権力行使の唯一の手段になっていることを描いている。」

クローネンバーグは、パパラッチの面前で彼の主演俳優とヨーロッパ式のキスを交わした後、「セックスとバイオレンス」は自然な組み合わせであると述べた。「ベーコンとエッグのようなものさ」と、ヒッチコックばりのおどけた口調でこの監督は言う。「映画に描かれた暴力の歴史は長い。性衝動には暴力の要素があり、僕が当然追求してみたい要素でもある。ジョージ・バーナード・ショーはこう言っている。”衝突はドラマのエッセンスだ”と。」

そしてこの場合、映画祭の最高賞をつかむチャンスにもそれが言える。その最高の賞パルムドールは今週末手渡される。

translated by estel