Qué!  2005.2.25 capitan-alatriste.com のスキャン
17世紀の剣術はエキサイティングでない

アラトリステのファイトシーンは映画にする価値がない

By David Lopez

もしキャプテン・アラトリステが17世紀に実際に行われたように多くの敵と戦ったとしたら、映画ファンは退屈してしまうだろう。派手で華々しい突きも、梁から梁へのジャンプもなく、剣がぶつかりあう音すら聞くことができないのだから。古剣術協会のインストラクター、アルベルト・ボンプレッシが説くように、当時の戦いの形はまったく違うものであった。「相手との接触が一瞬あり、お互いに剣をまじえることはなく、自分を守って見つからないようにすることが一番重要だった。」

しかし、映画は他の戦い方を考え出した。「ありのままを見せる映画なんてないさ。」 フィクションの必要性を理解しているボンプレッシは、そう断言する。映画には、エキサイティングで緊張感のあるファイトシーンが採用される。映画用の剣術が中心となり、そしてアラトリステでもそれが中心となる。

アラゴルンで学んだことは役に立たない
モーテンセンが『ロード・オブ・ザ・リング』でアラゴルンを演じるために学んだような剣術は、まったく役に立たない。剣が違うのだ。アラトリステのはもっと軽く、大規模なバトルはない。

剣士たちは刃をぶつけあわない

常に距離を保つ
剣を持った場合、距離を保つと都合が良い。対戦相手と接触するのはきわめて短く、ほんの数秒だ。その後、次の攻撃がはじまるまで相手と離れている。

突きで討ち合い、刃をぶつけあわない
映画で絶え間なく剣を交わしたりするのは本当ではない。実際の戦いでは突きでやりあうが、決して刃をぶつけようとはしない。逆に、剣士は常にそれを避けようとする。

つかみ合いが流行だった
これが最も重要な特徴の1つである。敵は相手を引っ張り、手か、柄の近くの刃の重い部分をつかもうとする。

確実に倒せる瞬間を求めて出入りする
対戦相手に近づいたり距離を保ったりしながら、絶えず出入りする。とどめの一撃で相手を確実に倒せる瞬間を探し、毎回2〜3のアクションを行う。

足の動きは “ダンス”
足を曲げて(??する--よく分かりません)、短い移動と長い移動がある。足は地面にしっかりとつけ、飛び跳ねたりしない。疲れるだけだし、そもそも服が邪魔でできなかった。

実際は酒場でのケンカ
ロマンはほとんどない。夜明けの決闘もなければ、おびえた女性たちもいない。実際には、決闘は酒場で始まり、表に出て剣や短剣で決着をつけた。

帽子は投げる武器

剣だけではない
戦いでは剣が主流だが、それに加え、短剣や防護用としてのケープ、敵とやりあうための帽子も付きものだった。

相手の武器を取り上げる
相手の剣は両手で抑えられ、剣の柄の部分を捕まえられるか、剣と短剣との間に固定された。

塗られた武器
戦いが夜に行われる場合、暗闇にカモフラージュし敵からの位置を分からなくするため、刃は黒く塗られた。

刃は1メール以上、重さは1キロに満たない

ディエゴ・アラトリステが使う剣は、エスパダ・ロペラ (訳注:espada ropera は直訳すると「衣装の剣」) として知られている。そのような名前で呼ばれる理由は、衣服の上に使われる武器であるだけでなく、衣装の一部を構成しているからである。フランス製の剣がこれらの剣に取って代わったのは、17世紀の終わりだ。この剣は長さが1メートル以上あり、重さは1キロに満たない。本物の剣は3,000から6,000ユーロするが、レプリカなら200ユーロで手に入れることができる。

スペインのハリウッド映画:
数ヶ国語を話す俳優、そしてサーファーのヴィゴ

46歳、出生地ニューヨークからラテンアメリカとヨーロッパを旅し、真のルネッサンスマンと呼ぶにふさわしい数々の趣味や才能を持つ。アラゴルンで成功したこの新しいアラトリステは、5ヶ国語を話すだけでなく、詩や絵も描くし、熱心な写真家でもある。彼はその息抜きとして、ニュージーランドでの『ロード・オブ・ザ・リング』の撮影の合間にしたように、サーフィンや釣りを楽しむ。
translated by yoyo (special thanks: Elessars Queen)