アグスティン・ディアス・ヤネスの映画のディエゴ・アラトリステとして、彼は映画を振り返る。「これは壮大な映画だ。」その47歳の俳優は言う。
「僕は永遠に満足しない」
By Amelia Enriquez、マドリッド
彼をよく知る人は、彼は気さくな人だと保証する。真偽のほどはともかく、確かなことは、殺人者や人生に苦しむ人物の役になりきった後で、ヴィゴ・モーテンセンはまさにヒーローにそっくりである。
『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルンを演じた後で、今度はカピタン・アラトリステ・・・
すごい違いだよ!そうだろ?僕はアラトリステがやれてうれしい。演じるように電話で頼まれた時、彼については全く知らなかった。24時間でスクリプトを読んだ。そして、とても惹き付けられたので、断ることができなかったんだ。
〜大きな可能性を持つスクリプト〜
一瞬でもその決断を後悔したことは?
一度もないよ。そして、もし、明日またこれほどのスペインのプロジェクトをオファーされても、イエスと言うだろう。何人かの仲間に聞かれたんだけど、ハリウッドで他にどんなプロジェクトでも選ぶことができるのに、なぜスペインで映画に出演する必要があったのかって。このストーリーのような可能性を与えてくれるスクリプトは一つもないと、彼らに言ったんだ。幸い、このところの僕には、自分を満足させてくれないプロジェクトを断る余裕がある。僕は最もギャラの高い俳優になることを求めているのではない。だから、理解するのが難しいインデペンデントな映画を作るんだ... そして、このアラトリステは確かに変わったキャラクターだ。ダークで、複雑で...
そういう性格を伝えることが最大の課題だったのでしょうか?
本当に難しかったのはアクセントだった。スペイン人らしくなければならなかった。だから、撮影の間は、アルゼンチンのアクセントとの接触は一切避けた(ヴィゴは子供の頃、一時期アルゼンチンに住んでいた)... マテ茶を飲む習慣だけは続けたけどね....
その努力のかいがありましたか?
もちろん。これは壮大で、力強くて、感動的な映画だよ。完成した時一度、出演者全員で一緒に見たんだ。部屋のライトがついた時、みんな目に涙を浮かべていた。パワフルだったよ!
かつてないほど、仕事を楽しみ始めているのでしょうか?
ある程度は、そうだね。皮肉だと思わない?20年も映画の仕事をしていて、40本以上の映画を撮影したのに、『ロード〜』が僕の人生に現れるまで、大衆に知られていなかったのだから。でも、本当のことを言うと、僕はそういうことに取り憑かれていたわけじゃない。人気とか賞とか人々の注目は、極力避けているんだ。
〜「僕はかなり孤独を好む奴なんだ」〜
アラゴルンとの共通点はどこでしたか?
たとえば、アウトドアの生活を楽しむところが共通していた。そして、ある意味、僕は一人でいるのがとても好きなんだ。とても人付き合いのいい奴なんだけど、一人でいて、静寂に耳を傾け、しばらく誰とも話さないのが好きなんだ。他の人々にとっては気が狂うようなことが、僕にはエネルギーを与えてくれる。
そして、あなたの言う恥ずかしがり屋が、スーパースターのあなたと、どのように共存しているのですか?
あまりうまくいかない時もある。この内気さが、時々、自分を冷たくよそよそしく見える人間にしてしまうんだ。幸い、僕は人が好きだから、そのおかげで外交的な人間、自己防衛の技として会話を用いる人間になるけどね。
あなたは正直で、誠実で、連帯感のある良き友と聞いています。何か欠点はないのですか?
僕のことをそう形容したのは僕の友人たちでしょ?それなら、彼らを信じちゃいけないよ。友人のためにはいつも最高のことを、というのは知っているよね。僕の欠点を知りたいの?せっかちなところかな。何でも「昨日までに」欲しいんだ。それと、他人のリズムに合わせるのに時間がかかることかな。
それほどひどいことではないのでは...
それに、不正にも腹が立つ。例えば、弱者が不当な扱いを受けているようなことを見た時とか。そういう種類のことには、ものすごくかっとくる。大声を上げてもどうにもならないことはわかっているけど、そうせずにはいられないんだ。
たとえそんな欠点があっても、女性なら10人中9人は、あなたを見てため息をつきますよ。セクシーだと思われて、あなたはうれしいですか?
僕のことをそう思ってくれる人は、もちろん侮辱してのことじゃない。でも、僕はそういうことには全く関心がないんだ。ほんとに僕がセクシーだと思う?よくよく見てごらん。僕は普通の奴だけど、有名だからみんなが注目する。もし、名声を背負わずに道を歩いていたら、絶対に誰も振り返って見たりはしないよ。
でも、心の底では、ちょっとうれしいはず...
それらのコメントに本当に喜んでいるのは母だよ。以前、あるアメリカの雑誌で、「世界で最も美しい男性50人」に選ばれた時、母はみんなにしゃべったんだよ。そういうことには、ただもう笑っちゃうね。
〜役ごとに良くなろうと努力する俳優〜
「普通の男」だった昔の方が幸せでしたか?
わからないな。でも以前は、批評を受ける時は--良くても悪くても--僕の外見が熱を煽ったからではなく、僕の演技が批評家の好奇心をかき立てたからだった。それは確かだよ。
つまり、外見のことは、あなたが背負わなければならない「十字架」というわけですね。
残念なことに、僕はハンサムだよ。(笑)自分が持って生まれたもののことで、謝りながら生きる必要はなかったけれど、この外見の陰には、役ごとに良くなろうと努力する一人の役者がいることを、みんなにわかってもらうのは、多分今までより少し大変かもしれないね。
アラゴルンの成功はお子さんのおかげというのは本当ですか?
あの映画をやるように僕を説得したのは息子だよ。三部作を読んでいて、ストーリーを暗記していたんだ。アラトリステの時も同じだった。僕はスクリプトを読むまで、どういうものか全く知らなかった。そう彼に言った...そうしたら、彼は僕にノーと言わせなかったんだ。
知らないうちに、彼はあなたの優秀なエージェントになったということですね。
今、彼にたびたび感謝していることは認めなくちゃね。彼とはよく笑うんだ。もうすぐ19歳になるんだけど、ずっと前から、僕たちはとても楽しい会話を交わしている。僕は彼を誇りに思っている。とても健全な子供で、辛抱強くて、動物が大好きな子だからね。どうかな、クレージーに見えるかもしれないけど、日ごとに、あの子が見習うべき模範のように見えるんだ。
普通、逆なのでは...
よく言われるのは、親は自分の子供の中に、ある程度自分の姿が投影されているのを見るものだと。僕の場合はそうならないんだ。僕と息子は親友だから。僕はうんと若くて父親デビューしたし、息子は僕を無条件の友だと思って育った。これは信頼の問題なんだ。
あなた方の共通点は何ですか?
あの子はとても好奇心の強い子で、一人でいることが好きなんだ。僕が彼の年の頃には、釣りをしたり、静かに遊んだり、一人で歩き回るのが好きだった。彼はその点を僕から受け継いでいる。まさに彼の中に自分を見て、自分の子供の頃を思い出すことがよくあるよ。
その時期アルゼンチンで暮らし、そこでスペイン語をマスターしたのですね。それと、いくつかの習慣を...
僕がマテ茶を飲むのが好きだからそう言っているのなら、その通り!これはアルゼンチンの習慣で、これなしでは生きられないんだ。それから、サッカーも好きだよ。多くの愛情とノスタルジーを持って、あの国で過ごした日々を思い出すんだ。今でもアルゼンチンとの絆が残っている。そこでの子供時代はとても幸せだった。それは本当だよ。
〜「我が道を行く」〜
できることならその頃に戻りたいですか?
すぐにでも。もう一度、僕がしたことを全て、一つ一つ繰り返したい。あの年月の流れは、僕を成熟させた一つの見方を与えてくれた。今、振り返って考えてみると、あの頃に学んだことが、僕を今の僕にしてくれた。そして、僕がかなり変わった奴だってことは認めるけれど、その結果はそんなに悪くないと思ってる。
最悪の批評家は家に(=自分)、ですか?
そう。僕は自分に対してかなり厳しい。永遠に満足しないんだ。もっとうまくやれるんじゃないかと常に考える。だから、一つ一つの役で、「もっともっと」うまくやろうと努力する。批評は喜んで受けるけれど、僕がうまくやれるかどうか、僕以上にわかっている人は誰もいない。
ハリウッドで行き残ることは簡単ですか?
僕のこの生活なら、イエス。僕は「我が道を行く」で有名だし、実際そうなんだ。ハリウッドの「華やかさ」には興味がない。仕事でそこに暮らす必要がなくて、僕はラッキーだ。だから、僕が生き残れるのは確実というわけ。
〜「僕はちょっと見栄っ張り。そうでなければ役者はやってない」〜
では虚栄心は?
僕はちょっと見栄っ張りなんだ。そうでなければ役者はやってないよ。だけど、エゴを大きくしないように、とても努力している。ストーリーを語るための仕事であって、名声や賞のためじゃない。
撮影で最も良いことは?
仲間とのふれあい。それから、特に、自分の趣味を広げられること。写真を撮ったり、絵を描いたり、ものを書いたり、作曲したり...
映画の世界で自分は何をしているのかと、今まで自問したことはありますか?
何度もあるよ。でも、いつも、自分にふさわしい職業についているという結論に達するんだ。僕の内部にあるものを表に出すことを許してくれる職業、そして、その過程で偶然、他のアート表現を追求することを許してくれる職業にね。
〜「各自の限界を知っていなければならない」〜
今まで政界に入ろうと思ったことは?
ノーーーー!それはすでにアーノルド・シュワルツネッガーがやった。誰でも自分の限界と、自分にちゃんとやれることを知っていなければならない。僕は、自分が追求する仕事を通じて、人々にとても上手に近づくことができると思っている。
映画に感謝することは?
たくさんのこと。特に、『ロード〜』の、そして今、『アラトリステ』の撮影の間に、僕のファミリーになった大勢の人々と出会ったこと。それがぼくの大切なものだよ。
自分が作り出すイメージは大切ですか?
気にしてないよ。僕はこの仕事に夢中なんだ。絵を描いたり、ものを書いたりするのと同じように...これらは全て、僕の人生を構成し、僕の気分良くさせてくれるもの。その他は全てマーケティングさ。