Viggo Chronicles  2004.3 原文
ヴィゴのカウボーイ友達

アメリカのミズーリ州からこんにちは!

たった今カリフォルニアから戻ったところで、ヴィゴについて少し伝えたいことがあります。私は友人と毎年この時期にメロディ牧場カウボーイ・ポエトリー・フェスティバルに行きます。メロディ牧場は、 ジーン・オートリーが始めた “ウェスタン・ムービー・タウン・スタジオ” で、これまで作られた西部劇はすべてそこで撮影されています。『ガンスモーク』 『ライフルマン』 『荒野の七人』のテレビシリーズと映画に・・・ 『ヤングガン』 『モンタナへの夢』などなど。年に一度スタジオは公開され、建物の前をウロウロできます。そして、あらゆるカウボーイ・ソングや食べ物、露店を楽しむことができます。

私たちが出かけるときは、ジャックとアイリーンのリリー夫妻のところにおじゃまします。ジャックは映画用の動物とスタントのコーディネーターです。詳しくは彼のウェブサイト movinonlivestock.com を見てください。ジャックのお父さんがジーン・オートリーと映画作りを始め、ジャックはずっとこの業界で働いています。想像に難くないでしょうが、ジャックの “俳優” と “彼らの馬乗りとしての才能” に対する評価は、決して高くはありません。彼は『ヤングガン2』でスタント・コーディネーターをやっていました。だから、当然ながら、ヴィゴを知っているかどうか聞かざるを得ませんでした。ジャックは、太くてガラガラした声をしています。彼はアメリカン・インディアンとアイリッシュで、たくさんのカウボーイ言葉を使います。・・・でも、本当は優しい人です。ジャックはバカ者は相手にしません。だから、もし彼がある人を友達だと言えば、それは本当に褒め言葉なのです。私は彼の友達でいれて嬉しいです。他のもっと重要な彼の友達は、サム・エリオット、ジャック・パランス、サム・ウエイド、そして、ヴィゴ・モーテンセンです。

ジャックは私がヴィゴを好きなことをからかいましたが、こう言いました。「もし誰かを好きにならないといけないとすると、ヴィゴっていうのは本当にいい選択だ。」 それから、ヴィゴがTJを飼っている牧場は、カリフォルニアのサンタ・クラリタにあるジャックの牧場からたった10分のところだと教えてくれました。ジャックは私に、TJに会い行きたいかと尋ねました。私が床にヘタると、ジャックは笑っていました。彼は電話を取り、TJを世話しているスタントマンに電話しました。2人が話をした結果、翌朝TJに会いに行けることになりました!

牧場へ行く車の中で、ジャックはヴィゴについて話し始めました。私が何でもいいから死ぬほど知りたがっていることを分かっていたので。牧場につくと、TJはパドックに出ていて、芝を食べていました。私はTJに砂糖を少しあげて、もうずーっと可愛がりました。その帰り道で、ジャックは語りました。

「ヴィゴと初めて会ったのは、『ヤングガン2』の仕事をしている時だった。俳優たちは全員、牧場に来て乗馬のレッスンを受けないといけなかった。(大半の俳優は、契約で最低何回と決められた回数しか来なかったそうです・・・。) ヴィゴには最初から感心したよ。あの時点で既になかなかの馬乗りだったが、オレが言うこと一つ一つに耳を傾け、毎日馬に乗りに来た。一時間だけ顔を出すんじゃなくて、丸一日いるんだ。昼を食って、妻とスペイン語で話をしてね。(アイリーンはメキシコ人で、今でも薪ストーブで料理をします。彼女の料理は最高なんです。) ヴィゴは一日中いたから、アイリーンはよくメシを食わせてやっていた。ここ何年かは、月に一度は馬に乗りに来ているよ。よく息子も連れて来る。息子はティーンエイジャーだが、とても礼儀正しく頭がいい。ヴィゴは息子をきちんとそうさせているんだ。」

ジャックの話はまだ続きます。「いつもヴィゴは月に何回か電話をしてくる。先週のいつだか、ヨーロッパのどこかから電話があった。ヒドイ声をしていた。インフルエンザですごく熱があると言っていた。なんで寝てないで電話なんかしてるんだって言ってやったよ。ヴィゴは話をしたかったんだ。すべてを放り出して、飛行機に乗って家にいる息子に会いたいと言っていた。たまっていたものをはきださせてやったよ...。それで、2、3日は休めるように映画会社のやつらに頼むんだぞって言ったが、ヴィゴは笑っていた。ヴィゴはオレに、TJの様子を見てきてくれないかと頼んだ。TJは “飼い主のカウボーイ” と過ごす時間をとれずにいるからな。オレは見てくると約束し、もう医者に診てもらったのか聞いた。時には... というよりはいつものことなんだが、ヴィゴにはちゃんと自分の面倒を見るよう言ってやらないといけないんだ。ヴィゴは、医者の命令で熱が下がるまでベッドに入っていないといけないと言っていた。ヤツを気の毒に思ったよ。この4年間、必死に働き通しだからな。」

ジャックは、ヴィゴがただブラッとやって来て、スケッチをしたり、いつも持ち歩いているカメラで写真を撮ったりしていることを語りました。「いつもオレの写真を撮るんだ。(ジャックは写真を撮られるのが大嫌い。) オレを怒らせようとしてるのさ。そういう気分のヴィゴがいる時は気をつけないといけない。」 ジャックは、ヴィゴが馬乗りとしてどれだけ上達したかも語りました。彼は映画に使われたまだら馬を見ていたし、ヴィゴが乗るのも見ていました。「ヴィゴは本当にいいヤツなんだ。根っから親切で、とびきり頭が切れる。いつも英語以外の言葉を話している。オレとスペイン語で話すこともあるが、妻とは延々しゃべり続けるんだ。」

アントニオ・バンデラスとキャサリン・ゼタ・ジョーンズ(ジャックは “マイクのかみさん” と呼びます)の新しいゾロの映画で、ジャックはスタントと動物のコーディネーターをやります。ジャックは私たちに、この秋9月くらいにまたカリフォルニアに来るように言いました。ヴィゴは息子の学校が始まる時には、必ず街にいるそうなので。「ヴィゴに電話して、ひと乗りしに行きたいか聞いてやるよ。ヴィゴと一緒に行くといい。ヴィゴは馬好きの人なら歓迎するよ。」 今度は、私はジャックのポーチにヘタり、みんなが笑いました。でも、ジャックは冗談で言ったのではありませんでした。ワァオ...。

えーっと、時差やらなにやらで、今のところ思いつくのはこれで全部です。また何か思い出したら書き込みますね。こんなに長くなってしまいゴメンなさい。でも、忘れてしまう前に全部書き留めておきたかったのです。忘れるなんてことがあるとは思いませんが!

もう寝ます。明日は私のまだら馬に乗ります。

それでは。
Kathy Teresa

translated by yoyo