TheOneRing.net  2002.7.12 原文
ポエトリー・リーディング in NYC

金曜の夜(7/12)にニューヨークのソーホー、クロスビー・ストリートにあるハウジング・ワークスで行われたポエトリー・リーディングに出席しないことを選んだファンは、特別なまたとない機会、そして、めったに見ることができないヴィゴの一面を垣間見るチャンスを逃したと言えます。

ロバート・マン・ギャラリーでの本のサイン会については、既に複数のレポートが上がっているので、あまり詳しく書くつもりはありません。今では、こういったヴィゴのイベントでは、私は “古顔” と言えるかもしれません。これで “彼に会う” のは3回目なのですから。素晴らしい経験、としか言いようがありません。彼がファン1人1人にとても親切で、丁寧に質問に答えたり、写真撮影に応じてくれる、といった彼について言われていることは、すべて真実です。

ギャラリーはかなり小さく、サンタモニカのTrack 16 ギャラリーの時より作品数は少なかったですが、新しい作品もいくつかありました。とても素敵でしたよ。本にサインをしてもらって、なんとか皆と同じようにヴィゴと一緒に写真を撮った後、ギャラリーに少し残り、長いこと各作品に見とれていました。それから、直接ハウジング・ワークスに向かい、もう列ができているかチェックすることにしました。(席の数に限りがあり、来た順に入れると聞いていたので。)

午後2時15分頃に書店に到着しました。驚いたことに、列は全くできていませんでした。店の奥にあるカフェに座り、食事と冷たい飲み物を頼みました。店のスタッフから、通りには並べないこと、すぐにも朗読会の用意をすることが伝えられました。綺麗な書店に、心地よい椅子、食べ物に飲み物、そして、快適なエアコン。待つ条件として、これ以上のものは間違いなく望めないでしょう。なので、朗読会が始まるまで、そこにいることにしました。ハウジング・ワークスの本は全て寄付されたもので、売り上げは、エイズを患うホームレスの男性、女性、子供たちのためのヘルスケアとサポートに使われるそうです。

その後、本のサイン会からやってきたファンたちが、ポツポツと到着し始めました。私は、今朝ギャラリーで待っている時に出会った、ニューハンプシャーから来たメラニーと、彼女の3人の素晴らしい子供たちと座りました。トールキンに映画、ヴィゴやその他諸々の話題について話しているうちに、時間はあっという間に過ぎていました。店の奥にはステージが用意され、私たちはできる限り前の方の席に座りました。(前の2列は “予約席” と書かれていました。)

6時頃には会場は満員になり、興奮でざわめき立っていました。その時点で、すでに立ち席しか残っていませんでした。Perceval Press のパートナーのピラーが定期的に現れ、店のスタッフにヴィゴの所在か何かを報告しているようでした。朗読会は7時から始まる予定でしたが、何らかの理由でヴィゴは少しだけ遅れて、7時30分頃に現れました。(おそらく、本のサイン会に予定以上に時間がかかったのだと思います。)

観客の中を歩いてくるヴィゴを見て、私は10歳になるとっても可愛いメラニーの娘サラにこう言いました。「あなたのボーイフレンドが来るわよ。」 サラが振り返ると、通りがかったヴィゴが彼女を見ました。本のサイン会にもいたサラに気づいたようで、にっこり笑って、「やあ、スウィーティ。(訳注:愛らしい人に対する呼びかけ)」と声をかけました。(多分そう言ったと思います。) サラは、もう恍惚状態になっていました!

イベントは、偶然にも One Ring Zero というバンドの演奏から始まりました。(LOTRとは何の関係もないそうです。) なかなか良いミュージシャンで、4曲ほど演奏しました。それから、何人かの作家がそれぞれの作品を読みました。面白い内容で、観客は彼らのパフォーマンスを満喫しました。最後にヴィゴが登場しました。彼は今まで見た中でも、一番リラックスしていたようでした。自分をだしにジョークを言ったり、観客をからかったり、観客と話をしたり。後ろの方の誰かが「聞こえないわ」と叫ぶと、「自分でも聞こえないよ。まあ、その方がいいと思うけど。」と、彼特有の自己軽視的なユーモアで答えていました。彼は Recent Forgeries と Coincidence of Memory から沢山の詩を読みました。Clear、Ontario、Matinee、Edit、Fossils などです。

観客からのリクエストで、スペイン語の詩を2つ読みました。ヴィゴがスペイン語で朗読するのや話すのを聞くまでは、“至福” という言葉の本当の意味は分からないでしょう!一番最後に、Coincidence of Memory から “First Light” をヘンリーに捧げると言って朗読しました。私は思わず涙ぐんでしまいました。とても力強い作品です。是非チェックしてみてください。あなたも泣いてしまうかもしれませんよ。

その後、One Ring Zero のミュージシャンたちが戻ってきて、再び演奏を始めました。『Brazil』の演奏が終わると、突然ヴィゴがステージに戻り、マイクをとって、ニール・ダイアモンドの『Sweet Caroline』を演奏するよう言い、みんなを驚かせました。バンドは、ヴィゴが歌うべきだ、と答えました!しかし、彼はそれを断り、ただステージの奥にいて、バンドの演奏に合わせて手を叩いたり、リズムに身を委ねたりしていました。それでも最後にはステージから降りて、最前列に座っていた友人の詩人レネをつかまえて、楽しそうにダンスを踊っていました。そこまでリラックスして楽しそうな、屈託のない、ふざけた感じの、そして明らかに楽しい時間を過ごしているヴィゴを見ることができ、本当に良かったです。

詩の朗読会は、間違いなくこの日の “ヴィゴ体験” のハイライトでした。彼はとても特別な人なのです。私はいつも言っているのですが、彼は王子様なのです。これ以上の上手い表現は見つかりません。最後に、このようなイベントの素晴らしいところは、他のファンと出会い、新しい友人を作る機会を提供してくれることです。メラニーと彼女の子供たちは素晴らしかったです。それに、話すチャンスがあった他の人たちも。LOTRファンは最高です!

translated by yoyo