St. Lawrence University  2003.2.28
ブライアンのレポート: 1日目

はじめに、ヴィゴの政治学の教授(彼女の名前は忘れちゃった)が、俳優になる前のヴィゴについて話をした。彼女の授業はルート・カナル(訳注:ルート・カナルとは、歯茎の根幹をきれいにする虫歯治療で、時間がかかりとても痛いというかツライ。人々が嫌がるものの代名詞。)と言われていたらしいが、ヴィゴはその授業を取っていた。その頃、ヴィゴは住む場所を探していて、どこか知っていないか彼女に聞いた。彼女は新しく買った古いヴィクトリア朝の家の部屋をヴィゴに貸すと申し出て、ヴィゴは喜んでその申し出を受けた。こうしてヴィゴは、教授夫婦と、もう一人同じく部屋を借りているダリルという学生と暮らすようになった。

教授夫婦はこうして2人の使用人をゲットし、2人は冬の間中、家の前の道の雪かきをした。ダリルは車を持っていたからよかったけど、ヴィゴは車を持っていなかったから、雪かきしても何の得にもならなかった。冬が終ればいつもどおり春がやって来るけど、リヴァー・ウィード(密生した竹?)もやってきた。だけど、これを切っちゃうと切れた部分が “エキサイト” しちゃって、そこから新しい芽を出しちゃうから、地中深くにある根っこごと掘り起こすことが唯一の除去方法ということだ。それがヴィゴとダリルのもうひとつの仕事だった。

また、彼女はヴィゴがとっても内向的で(それは皆すでに知ってるけど)、1人だけよく一緒にいる友達がいたと言った。その友達は背が低くて、良い笑い声をしていたことしか覚えていないらしいが、2人は家の中ではなくいつも納屋で一緒にいることが多かったそうだ。

4年生の時にヴィゴは芝居に興味を持ちはじめた。新しい両親(教授夫婦)は俳優になるという考えには賛同しかねたが、芝居を続けることはOKした。ヴィゴはブラック・ボックス・プロダクションに出演した。彼女はヴィゴが書いた芝居だと思っていたが、「あれは納屋にいた友達のだよ」とヴィゴが訂正した。(ここで会場に笑いが起こる。) その後、ヴィゴは俳優を目指してハリウッドに移った。ハリウッドに少し住んでみれば、俳優になるなんて考えは捨てて、弁護士になって戻ってくると教授夫婦は思っていた。もちろん、ヴィゴが弁護士になんてなり得なかったのは皆が知っていることだけど。

その後、交流会が始まった。ヴィゴは他の数人と話して、それから僕たちが話せる番になった。僕たちの前にいた人たちはアイス・ショーか何かを見にいくのでもう帰るところだった。それでその女の子が本にサインをしてもらおうとしたのだけれど、ヴィゴはペンを持っていなかった。僕はいつもペンを持ち歩いているので、それをヴィゴに差し出し使わせてあげた。

それから僕たちがヴィゴと話す番になった。ヴィゴがつけているネックレスは何か、というのが僕の最初の質問だった。小さな金属と石がネックレスの紐についていた。ヴィゴの胸元から金属の部分を手にとり、それが何なのかきいてみたら、「Thor's hammer(トールのハンマー)だよ」と答えてくれた。なんでトールのハンマーを付けているのかは明日聞くつもりだけど、それまでは理由は分からないや。

2つ目の質問は、どこにLOTRのタトゥーを入れたのか、だった。肩に入れたということだったけど、ヴィゴはスーツのジャケットを着ていたからタトゥーを見ることはできなかった。それからヘザーが話す番になり、彼女は僕ほどスムーズにしゃべれなかったけど、ヴィゴの詩のCDにサインをしてもらったし、ヴィゴと一緒の写真をとることもできた。僕の身長は5フィート11インチだけど、ヴィゴは僕より少なくとも2、3インチは高かったから、6フィート2インチくらいじゃないかと思う。

僕たちの番が終わった後、ヴィゴはメディアにつかまり、太ったバカそうなヤツとのインタビューが始まった。インタビューの内容はほとんど聞こえなかったけど、最後の部分だけちょっと聞こえた。「(このようなことを)なぜやるのか」と聞かれて、ヴィゴは「自分の考えや感情を紙に残し、他の人が見られるようにするのは良いことだと思う。」と答えていた。それから、ギャラリーにあるヴィゴの作品のタイム・フレームについて質問があった。NZに滞在していた時の作品が沢山あるけど、ほとんどはこの5年の作品だと答えていた。その後、そのデブのバカッチョ男が、これまで何冊本を出版したのか、と質問した。ヴィゴはシンプルに「4冊」と答えた。ヴィゴは優しいからもっと詳しい話を追加して言ってあげてたが、そうでもしなかったら、その男は他に何にも言えずに立ちすくんでいたに違いない(怒)。 その後、その男はヴィゴに自分のウェブサイトのカードをあげていた。それから、僕たちは皆、外に追い出された。

translated by yoyo