Interview with Nelonen  2001

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Q: あなたはこの撮影に非常に打ち込んでいたと聞いています。衣装を全然脱がなかったとか、森に住んでいたという話は本当なのですか?(笑)

これといったオフが全然なかったから、人が僕を見た時、いつも仕事用の服を着ていたってことだと思うよ。この映画のほとんどは、とても美しいニュージーランドの自然の環境の中で撮影したんだ。僕は、キャンプやハイキング、釣りが好きだし、アウトドアが大好きなんだ。時には難しい仕事だったけど、あのような素晴らしい場所にいられたのは、僕にとってはパラダイスだったよ。だから、おそらく皆は僕が森にいるのをよく見たんじゃないかな(笑)。だけど、ニュージーランドに1年半いて、もし川や森や山を探検する機会を楽しまなかったら、ある意味、時間を無駄にしたとか、貴重な機会を無駄にしたって思っただろうね。

Q: そんなに長いこといたから、役になりきるのは簡単でしたか?

おそらく、皆そうだったと思うよ。これだけ長くやると、全く同じではないけど、舞台をやるのと似ているんだ。だけど、どんな役でも、僕はいつも自分が演じるキャラクターが好きなんだ。どんな仕事でも、そのキャラクターを理解して、ありがたく思えるようになる。人は学ぶことを止めることは決してできないと思うんだ。自分次第なんだよ。学ぼうという気持ちがあれば、途中で何らかの情報を拾うことができる。今回はいつもより長期間やっているから、このキャラクターについてたくさん学んだよ。

Q: アラゴルンは、作品の中でも最も愛されているキャラクターの1人、最も人気のあるヒーローの1人ですよね。この役を引き受けるのに躊躇しませんでしたか?

原作を読んでいなかったから、キャラクターについての先入観を持っていなかったし、大勢の人がそういった考えを持っているかもしれないと意識することがなかったんだ。それよりも、役について学ぶプロセスや、映画を撮影する過程で経験するものに興味があるんだ。だから、他の人がどう思うかということは、あまり気にとめなかったよ。ただ忠実でいるよう努めた。今回でいえば、2人のマスターがいるように感じたんだ。1人はトールキンで、もう1人はピーター・ジャクソン。そして、良い仕事をするということに関しては、自分自身の良心もね。この仕事だけが特別ってことはないんだ。だけど、この本を読んだ時に、北欧の伝説や神話、スカンジナビアやフィンランドの物語、他のヨーロッパや中世の詩といったものが基盤になっているということがよく理解できた。ある意味、過去に触れることができる、とてもユニークな機会だと思ったよ。

Q: 熱心な原作のファンが大勢いることはご存知ですよね。実際、彼らからある程度の否定的なフィードバックを受けるのは避けられないと思います。それを恐れていますか?

いいや。僕は原作の詩や言語が特に好きなんだ。本当にもっとそういうものを映画に入れらると良いと思うけど、すべてを映画に入れることはできないんだ。20時間の映画にでもしない限り、不可能だよ。だけど、原作の精神や、この映画を作る上での経験は、スクリーンに表れていると思う。小奇麗なおとぎ話ではなくて、時には見ているのが辛くなるような、汚くて、荒々しいところもある。みんな一生懸命で、どんなにファンタジー色の強い状況であっても、現実的に演じたんだ。

シェークスピアにも通じるところがあると思う。ある意味、言葉というよりは、もっと視覚的な部分でね。シェークスピアはものすごく退屈にすることもできるし、真剣に、今まで誰も見たことがないように演じることもできる。そうすれば、人の心を動かすことができるし、見ている人は感情移入する。この映画もそうだと思う。この映画のキャラクターは、原作から飛び出してきたかのようなんだ。トールキンが20世紀の読者のために命を吹き込もうとした、霧のかかった過去からそのまま抜け出したんだ。ピーター・ジャクソンも、現代の映画を見る人たちに同じことをすると願っているよ。本当にあったことのように感じさせたり、たとえ意識的に気付かなくても、普遍的な神話の世界とのつながりを感じさせたりすると思う。

Q: アラゴルンを演じるために、様々な技術を学ぶ必要があったと思うのですが、何が一番大変でしたか?

うーん、そうだねぇ。毎日新しいチャレンジがあったよ。天気だったり。。。例えば馬が病気だったり。。。自分が怪我をしたり、誰かが怪我をしたり、あるいは、誰かの調子が良くないとか。。。

Q: 撮影中に怪我をしましたか?

うん。だけど、戦闘シーンをやった人は、ほとんど全員怪我をしたよ。

Q: どんな怪我をしたのですか?

うーん、たくさん。怪我のことを話すのは、あまり良くないと思うんだ。僕よりひどい怪我をした人が大勢いるからね。大したことじゃないんだ。大事なのは、どんなに疲れていても、誰かがどんなに元気がなくても、いつも皆が力を合わせるってことなんだ。1年半いたのだから、最悪の週を送ってるかもしれないし、ついていない日だってあって当然だよ。だけど、皆が団結していて、もし誰かと話したいと思えば、誰かに相談することもできる雰囲気があった。それに、必ず自分よりひどいトラブルに見舞われてる人がいたしね(笑)。将来出演するチャンスがあるものも含め、ほとんどの映画よりチームワークがあったと思う。そして、その甲斐はあったと思う。この映画では、みんなが全力を尽くしていることや、共通のゴールに向けて犠牲を払っていることを感じると思うから。

translated by yoyo