ヴィゴ: ヴィゴだよ。ハロー、OneRing。[くるくる〜]
ビリー: ヴィゴは最高だよ。[2つほど聞き取れない文あり。] ヴィゴはいつだって最高だよ。いつもエネルギーが満ち溢れてるんだ。いつもチョコレートを食べてるしね。それがエネルギー源だと思うよ。だったら僕もチョコレート食べなきゃ。誰かチョコレート持ってる?(笑)
SIGNLANGUAGEは大体がニュージーランドで作った作品なんだ。ニュージーランドで撮った写真や、ニュージーランドで描きはじめたか、それか、そこで完成させた絵なんだ。混在した媒材の作品にある色や画像や沢山のテキストは、トールキンやニュージーランドの詩、あるいは、単純に自分で見聞きしたものや、自分自身についてとか、観察したもの、日記のようなものとか、まぁそういった色々なものに直接結びついているものもあるんだ。だから、これは主にニュージーランドにいる間に作ったものや、それにインスパイアされたものなんだ。
イングランドでもウェールズでも、アイルランド、アメリカ、カナダ、南アメリカでもどこでも、こんなに沢山の素晴らしい詩人がいる場所はないと思うんだ。ニュージーランドは小さな国だろう?人口だって500万人くらいで、デンマークなんかと同じくらいなんだけど、すごく沢山の素晴らしい詩人やアーティストがここにはいるんだ。カール・マッケーンや、新しいアーティストもそうだけど、そういった詩人やアーティストは僕にとって個人的に大きなインスピレーションなんだ。ロード・オブ・ザ・リングをやっていて、元々素晴らしい旅だったのを、彼らはさらにもっと価値があるものにしたんだ。
ジェーン・キャンピオンのことは皆知っていると思うんだ。『ある貴婦人の肖像』で彼女と一緒に仕事をしたのだけど、彼女は言うまでもなく『ピアノ・レッスン』で世界的に知られているからね。だけど、彼女のお母さん、イーディス・キャンピオンは素晴らし女優で、優れたライターでもあるんだ。これは彼女の詩なんだ。とってもいいと思うよ。このような長期に渡る仕事をしてる時に時々感じることなんだけど(笑)、他の仕事をしてるどんな人にでも時には当てはまると思うんだ。
かごの中のタカのようだ
翼の羽はすべて抜け落ち
肉を引きちぎるためのクチバシは削り落とされ
そして人を喜ばせるために、カナリアの歌を歌うことを学んだ
哀しい詩だけど、とっても美しいと思うんだ。
これはビル・マンハイアの詩で、彼はニュージーランドではとっても著名な詩人で、詩集もいくつか編集していて、学校で教えてるとも思うんだけど・・・。ともかく、これは1977年に書かれたもので、タイトルは『HOW TO TAKE OFF YOUR CLOTHES AT THE PICNIC』(ピクニックで服を脱ぐ方法)。
(略)
この詩は気に入ってるよ。他にも沢山あるんだ。だけど、どんな詩集でもいいから一度読んでみることを薦めるよ。ニュージーランドの詩人たちはビックリするぐらい才能豊かなんだ。
アラゴルンは勇敢だとか、物語の中の他の登場人物は勇敢だ、と言ってしまうことは簡単だよ。だけど、実際に彼らは勇敢なんだ。トールキンが優れた話を書いたという理由はそこにあるんだ。彼らは皆恐れているんだ。皆それぞれ違う時にだけど、大小様々なチャレンジに立ち向かわないといけないんだ。アラゴルンについて一番感心するのは、たとえ時には正しいことをしたり、正しいやり方で実行するのを躊躇することがあったとしても、彼は基本的に誠実なんだ。彼の正直さを尊敬するね。彼は沢山のことを自分の胸のうちにしまいこんでいるかもしれないけど、人を裏で操るようなキャラクターではないと思うんだ。すごく真っ直ぐな性格で、そこが何よりも尊敬に値するよ。
ニュージーランドには精神、つまりインディペンデント・フィルム製作の精神があると思うんだ。それは必要だからあるんだけど、その精神はいつも強固なものなんだ。70年代には先駆者がいて、様々な種類の映画を作ったんだ。ジョフ・マーフィーによる『UTU』という素晴らしい映画があるんだけど、ジョフは実際にピーター・ジャクソンを手伝ったこともあるんだ。[具体的な手伝い内容を説明した1文がよく分かりません。]
70年代後半に映画製作が急増したんだ。だけど、それはニュージーランドでは比較的新しいことで、これまで行われてきた映画製作には、アーティスト、画家、詩人、彫刻家、建築家でも何でも、良い関係が存在しているんだ。
ニュージーランドでは、自分たちのやり方で働くというか、自分たちが楽しむために物を作るんだ。この巨大なワールド・マーケットがあるんなんて幻想は抱かずにね。分かるだろう?だから、お金のために物を作るなんて、会話にあがってくることすらほとんどないんだ。アメリカや他の場所と比べたらね。ニュージーランドの人は、映画を作りたかったら、もうただ映画を作ってしまえばいいじゃないかって思うみたいなんだ。ピーター・ジャクソンもそうやって映画作りを始めただろう。週末に自分の家で色んな物をまとめられる人を誰でもいいから呼び出してね。それでピーターとリチャードはある意味そこからWETAを作り出したんだ。
ロード・オブ・ザ・リングはものすごく巨大なプロダクションで、何百人、何千人の人が関わっているにも関わらず、ほとんどの場合はインディペンデント映画を作っているかのように感じたんだ。その精神から作られているからね。例えば「雷雨がやってきた」とか「ライトが足らないよ」とか、他にも色々あると思うんだけど、「できないこと」という考えは基本的になかったんだ。いつも「じゃあ、どうやってそれをやるか」というやり遂げる姿勢で、非常にインディペンデント・フィルム製作的な姿勢をこの国は持っているんだ。メディアがアメリカやヨーロッパよりも成熟していないっていう理由もあるけど、単にニュージーランド人がそういった人なんだと思うんだ。どんなに長時間働いても、どんなに疲れていても、彼らはすごく夢中でやるんだ。たしかにトールキンに対する敬意もあるし、ピーター・ジャクソンが皆をインスパイアするよう努力していることもあるけど、それよりもニュージーランド人がどういった国民性を持っているかに大きく関係していると思うんだ。
彼らの詩を読めて嬉しいよ。誰々とか誰々も読んでみればって言われるのは分かってるけど、良い詩人が沢山いるからね。ありがとう。Kia Ora![マオリのHelloやGoodbyeにあたる言葉です。]
ヴィゴ: [出だしの単語1つが分かりません。] はジェーン・キャンピオンによるもので、彼女のお母さんは素晴らしい女優であり詩人なんだけど、ニュージーランドの外では誰も知らないだろう。
男性: 『ピアノ・レッスン』だけしか知らないよね。
ヴィゴ: そうなんだ。