『ロード・オブ・ザ・リング』三部作のアラゴルンとして、ヴィゴ・モーテンセンは世界中でファンを獲得し、ハートを掴んできました。この辺りにもファンがいるって断言できますよ。ヴィゴ・モーテンセンはアクションヒーローというだけではありません。金曜日にニュージーランドに戻ってきた裸足の俳優は、『王の帰還』のプレミアのためだけでなく、ウェリントンに何か恩返しをするために来た、と言っています。彼は、チャリティとして写真展のオープニング、それにポエトリー・リーディングを主催します。両方とも、芸術の研究資金を援助することが目的です。アートについて、そして、人生の意味について話すために、ジーン・ノーランがこの深遠な詩人、写真家、俳優をつかまえました。
［ジーンのナレーション］
ロード・オブ・ザ・リングの撮影期間中は、しばしば役に身を染め、衣装を脱ぐことがなかったヴィゴ・モーテンセンですが、今では、剣やたなびくアラゴルンの髪はありません。多作な写真家、詩人、画家は、ニュージーランドに戻ってきました。最終章のプレミアのためだけでなく、何かを返すために戻ってきた、と彼は言います。
ヴィゴ： 恩返しのつもりだよ。友人というのは、共有するものだろ？僕はここにいる間に、明らかに沢山のことを得たからね。
［ジーンのナレーション］
モーテンセンは、途切れ途切れですが、過去4年間ウェリントンに住んでいました。
ヴィゴ： 普通は頻繁に移動するのは嫌じゃないんだ。好きだったし、刺激にもなったよ。ここウェリントンで、ニュージーランドで価値のある時間を過ごしたから、ここでは本当にくつろいだ気持ちになれるんだ。実を言うと、初めてここに来た時、初めて来て歩き回った時にもそう感じたんだ。気候に何かあるなって思った。言葉にはできないものがね。
［ジーンのナレーション］
ここの光と気候は、写真で実験をしたくなるとヴィゴは言いました。
ヴィゴ： マイルス・デイヴィスが言った言葉で、とても好きなものがあるんだ。仲間のミュージシャンに言ったのだと思うけど、彼は、「そこにあるものをプレイするな。そこにないものをプレイしろ」って言うんだ。
［マイルス・デイヴィスの 'Round Midnight が流れる］
ヴィゴ： つまり、いつだって色んなことが起こっているんだ。それらは正確でもないし、簡単に分類できるものでもない。これらのイメージは、渦を巻いていたり、ぼんやりしていたりする。本当に、とてもよい、正確な、テレビ向きの答えをしてあげてるね。（笑）
ジーン： あなたは、パブで沢山時間を過ごすような人には見えませんよね。だって、映画の撮影をしていた時には役になりきっていたし、写真も撮っていたし、おそらく詩も書いていたでしょうし。
ヴィゴ： パブで沢山写真を撮ったり、沢山詩を書いたりしたね。 ［ジーンが笑う］ やらなかったのは、寝ることじゃないかな。でも、人は死んだら眠るんだろ？
ジーン： 不機嫌になりませんでしたか？
ヴィゴ： もちろん。（笑） だけど、それは自分がどこにいるかっていうことの一部なんだよ。
［ヴィゴの作品が映される］
ヴィゴ： 自分にとっては、写真を撮ることも、詩を書くことも、観察すること、絵を描くこと、それらのことは、自分の頭の中から出て、世界の他の人々とつながり合うことを助けるんだ。
ジーン： 覚えられているという点について、死に対する対抗手段の１つですよね。あなたは本当に覚えられていたいのですよね。
ヴィゴ： ただここにいたいだけだよ。僕たちはそんなに長くは生きられないだろ？僕が思う最悪なことっていうのは、人生のある時期を乗り越えて、その時期が終わった時に、もっと注意を払えたのにって気付くことだと思う。不幸なことには、人生がすべて終わってから気付く人もいるかもしれない。子供たちや、親や、あるいは自分がどこにいるかということに、もっと注意を払うことができたのにってね。例えば、雨が降ったときに、屋内で絶対雨に濡れないようにすることもできるけど、実際に外に出て雨を感じて、雨が降っている時と降っていない時と比べることもできるだろ。
ジーン： 写真や詩を書くアーティストであるあなたにとって、あなたが映画スターだから芸術的な側面にも注目する人がいるということを心配したことはありませんか？
ヴィゴ： 『ロード・オブ・ザ・リング』が理由で、あるいは、今まで出演した他の映画が理由で来た人がいたとしても、その人が来て、写真を見る限り、来た理由を気にする必要はないよ。その人たちにとって、良い経験になって欲しい。だけど、なによりも人が作品を見てくれることが僕にとっては嬉しいよ。
［ジーンのナレーション］
そして最後に、ジプシーのルネッサンス・マンはいつも魅力的です。
［ヴィゴとジーンが挨拶のキスをする］
ヴィゴ： 今日はありがとう。また戻ってくるよ。（笑）
［スタジオに戻る］
あのキスは、オフィスの私の回りの全女性の羨望の的でした。ヴィゴ、いつでもいいわよ。
［このあと、NZでのスケジュールを言っておしまい］
