ZDF.de  2003.12

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Q: この三部作で最も見ごたえのあることは何ですか?

最も見ごたえのあること?風景は何より素晴らしかったよ。僕にとっては特殊効果よりも素晴らしかったと思うよ。たとえ3作目ですらね。だけど・・・素晴らしいこと、あるいは一番注目を引くことというのは、映画の特殊効果なのかな。明らかにピーターの心はそこにあるし、彼の一番の関心事のようだからね。そもそも彼が映画を作り始めたのは、こういったシーンを作ることが目的だったわけだし。

だけど僕にとっては、個人的に言うと、その場にいたことが一番素晴らしいことだったんだ。映画制作のプロセスや物語を伝えるということだけでなく、関わっていくこと自体がね。どれだけ本編に残るかということは関係ないんだ。物語の世界に入っていって、そしてトールキンだけでなく、過去やトールキンが元とした、とりわけ北ヨーロッパの文学や神話につながりを作ったんだ。

自然の環境に身をおくことも素晴らしかった。特に南島や森の中、山や川など。他のみんなもおそらく気付いていたと思うけど、僕は常にこれが特別な機会だということを意識していたよ。ニュージーランド人ですら行ったことがないような場所にも僕たちは行ったし、それらの多くは写真に撮られたこともないような場所だったんだ。だから、とても恵まれていると感じたよ。今は門が開かれたけどね。それはニュージーランドにとって良いことだと思うし、彼らは環境をとても気づかっているから上手く対応すると思うよ。今では人々が大挙して押しかけているけど、僕たちが行った時は、以前には一度もフィルムに収められたことがなかったような場所だったんだ。光栄なことだと分かっていたよ。あの国にとっておそらく物事が永久に変わってしまう前の静かな時間だったからね。

Q: 俳優としてやったことと、特殊効果などのコンピューター関連のことと、何がより重要でしたか?

ピーターはサムとフロドの旅に特別に注目することで、登場人物の関係や物語のより人間的な要素とのバランスをとろうとしたと思うんだ。だけど、彼の関心事は・・・つまり、本を書くにあたってのトールキンの関心は、特に北部の伝統を踏まえた上で、文学や神話、歴史、言葉、言語学、宇宙論について、彼が知っていることを探求し示すチャンスにあったと思うんだ。

そして、ピーターが7、8年もの時間をこの映画に費やした理由は・・・もちろんこの物語が好きだっていうのもあるだろう。じゃなきゃ、これをやらなかっただろうしね。だけど何よりも、彼にとっては視覚効果の世界を探求するチャンスだったのだと思う。彼自身、レイ・ハリーハウゼンのような人々にインスパイアされたから監督になろうと思ったし、そして実際に監督になったと言っている。フリッツ・ラングや、明らかにジョージ・ルーカスにもインスパイアされたと思うよ。

ピーターは2作目で特殊効果の成果を絶賛されたけれど、僕の意見では、特にこの3作目ではどんどんその方向に重点がシフトしていくのが見えると思う。特に1作目のエクステンデッド版と、2作目のどちらバージョンでもいいから比べてみれば、2作目ではますます特殊効果が中心になっていったのが分かる。そして3作目では、彼はさらにその方向に進んだんだ。彼がその方向に進むか分からなかったけど、そうなったよ。明らかに彼が監督として一番関心があるのはそこなんだ。そういった特殊効果のシーンに人間的な要素を入れられないって言っているわけじゃないんだ。彼は常にそうしようと努めたと思うよ。そして、彼はおそらくやろうとしていたことはほぼ達成したと思う。僕の意見では、彼は主に特殊効果の先見者として、確実に映画史上に名前を刻んだと思う。この3作目で、彼はジョージ・ルーカスやそれに並ぶ人々が達成したことをはるかに超えたと思うよ。

短い質問ある?もう1つあるの?いいよ。

Q: 戦闘シーンと感情的なシーンがたくさんありますよね。これらのバランスは良いと思いますか?(訳注:よく聞こえませんが、こんな質問だと思います。)

うん、ピーターがした努力は良いと思うよ。他のキャラクターについても心理的な旅をもっと入れることができたなら、とは思う。サムとフロド、あるいはピピンだけでなくてね。それが入っているのは嬉しいよ。すべてを含めることは時間的に難しいと思うからね。だから、エクステンデッド版が出ることに感謝するよ。最初の2作と同様に出るものと思ってるんだけど。そうしたら、ピーターがしたこと、そして僕たちがしたことを見せられるからね。

translated by yoyo